特に、施工管理においてDXの導入は、現場作業の自動化や業務効率化を図るために重要です。しかし、どのようにDX化を進めればよいのか迷うこともあるでしょう。
そこで今回は、施工管理業務で活用可能な5つのデジタル技術と、施工管理DXの進め方を解説します。
【目次】
施工管理DXとは?
施工管理DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、建設業界におけるデジタル技術を活用した変革のことです。
DX化の具体的には、IoT・AI・クラウドサービス・ドローンなどの技術を活用し、現場の進捗管理や品質管理、安全管理などをリアルタイムで行うといった方法が挙げられます。
施工管理DXを実現することで、業務の生産性が向上し、ミスやトラブルの早期発見が容易になるため、工期短縮やコスト削減が見込めるでしょう。
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施工管理業務をDXすることで得られる4つのメリット
ここでは、施工管理業務をDXすることで得られるメリットについて、以下の4点を解説します。
- 人手不足の解消が実現できる
- 生産性の向上につながる
- 安全面の向上が見込める
- 技術の継承が促進される
1つずつ見ていきましょう。
人手不足の解消が実現できる
施工管理業務をDXすることで得られるメリットの1つ目は、人手不足の解消が実現できることです。
建設業界では、人手不足が深刻な問題と言われています。限られた労働力を効率的に活用し、生産性を向上させるためには、DX化が欠かせません。
例えば、IoTやセンサーを活用して監視システムを自動化すれば、人手が足りないことによる作業の遅れや品質の低下を防げます。
施工管理DXは、建設業界の人手不足問題の解決策の一手として期待されています。
生産性の向上につながる
施工管理業務をDXすることで得られるメリットの2つ目は、生産性の向上につながることです。
デジタルツールを導入することで、現場の情報共有がリアルタイムで行えるようになり、施工管理者の連絡や進捗確認の手間が大幅に削減されます。
現場の確認連絡などこれまでにかかっていた作業が減り、迅速なコミュニケーションが可能になります。
また、業務の自動化や効率化が進めば、作業負担の軽減や人的ミスの防止にもつながり、業務の効率が向上するでしょう。
安全面の向上が見込める
施工管理業務をDXすることで得られるメリットの3つ目は、安全面の向上が見込めることです。
建設現場では、高所作業や溶接作業といった危険な作業があることも少なくありません。万が一事故が起きれば、作業員の命に関わるリスクを伴います。そこで、デジタル技術や通信技術を活用すれば、トラブル発生時でも作業員の安全を守れます。
例えば、バックホウ自律運転システムを導入すれば、オペレーターは遠隔から作業をコントロールでき、安全な場所にいながら作業を進めることが可能です。
危険な作業環境でのリスクを軽減できるのが、施工管理DXの魅力です。
技術の継承が促進される
施工管理業務をDXすることで得られるメリットの4つ目は、技術の継承が促進されることです。
建設の現場では、新人を育成するためには、熟練技術者と共に現場経験を積む必要があると考えられてきました。
しかし、近年では技術者を目指す若手が減少しており、せっかく入社したとしても、十分な技術を習得する前に辞めてしまうことも少なくありません。そこで、デジタルツールの導入が注目されています。
デジタルツールを活用すれば、作業手順書を作成したり、熟練者の知識やノウハウをデータ化して蓄積することが可能です。
関連記事:現場DX推進で実現!生産性の向上と課題解決の方法を徹底解説
施工管理DXで用いられる5つのデジタル技術
ここでは、施工管理DXで用いられるデジタル技術について、以下の5点を解説します。
- BIM
- SaaS(クラウド)
- ドローン
- AI
- ICT建機
1つずつ見ていきましょう。
BIM
施工管理DXで用いられるデジタル技術の1つ目は、BIMです。
BIMは、「Building Information Modeling(建築情報モデリング)」という概念で、3Dモデルを利用してプロジェクト全体での情報共有を円滑にし、建設現場全体の効率化と高度化を目指すための取り組みです。
従来の建設業界では、2Dの図面を使ったアナログ作業が主流で、情報の理解や共有に課題がありました。しかし、3Dモデルを導入することで、設計情報を視覚的に確認でき、ミスや手戻りを削減できます。
そして、書面や2Dデータに比べ、情報共有の速度が上がるため、事前に関係者間での合意がスムーズに進むという利点もあります。
BIMの導入により、建設現場全体の効率が向上し、円滑なコミュニケーションと品質の高い施工が実現できるでしょう。
関連記事:建設DXとは?業界の課題や変革の可能性・成功事例を徹底解説
SaaS(クラウド)
施工管理DXで用いられるデジタル技術の2つ目は、SaaS(クラウド)です。
SaaSとは、インターネット経由で提供されるソフトのことで、建設業界でもさまざまな用途で活用されています。例えば、図面や進捗データをクラウド上に保存しておけば、現場とオフィス間でリアルタイムに情報を共有できます。
情報のタイムラグが起こらなくなるため、工事の進行を効率化できるでしょう。また、クラウド型の施工管理ソフトを活用すれば、遠隔からでも現場の状況を把握でき、指示を出すことも可能です。
従業員の作業効率が向上し、人件費や交通費の削減に役立ちます。
ドローン
施工管理DXで用いられるデジタル技術の3つ目は、ドローンです。
ドローンは、無線によって遠隔操作される無人航空機のことを指します。ドローンは施工管理DXにおいて、現場の効率化や安全性向上に大きく寄与しています。
まず、手動測量に比べて、ドローンは広範囲を迅速かつ精度を高めて測量することが可能です。特に、人が現地に行くことが困難な場所でのデータ取得が容易に行えます。例えば、建物の劣化箇所の検知や保守といった作業も、ドローンでの代替えが可能です。
また、空撮することでリアルタイムで進捗管理ができるため、問題の早期発見と対応が可能になります。
そして、危険区域で人が行っていた目視での確認作業をドローンで行えば、作業員の安全を確保でき、事故が起こるリスクを低減できるでしょう。
AI
施工管理DXで用いられるデジタル技術の4つ目は、AIです。
建設業界でのAIの導入は、安全性と生産性の向上に大きく貢献します。特に、AIを活用した画像認識やセンサー技術が代表的です。
例えば、AIを使った画像認識技術で点検作業を自動化したり、AI搭載のドローンで事故や作業ミスをリアルタイムで検知できたりします。危険で手間のかかる作業を、効率的に行うことができます。
また、AIが建設機械を自動制御することで、無人操作が可能になり、作業の自動化が進むのも魅力の1つです。
AIの進化により、業務の属人化を防ぐことができ、安定した稼働や危険作業の削減が実現するでしょう。
ICT建機
施工管理DXで用いられるデジタル技術の5つ目は、ICT建機です。
ICT建機とは、情報通信技術を搭載した建設機械を指し、位置測定装置から得たデータをもとに、機械の操作や制御が自動化される仕組みのことです。
これまでオペレーターの経験やスキルに左右されていた作業も、ICT建機の導入により属人性が解消され、作業全体の効率向上や品質の安定化が実現するでしょう。
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施工管理のDX成功事例3選
ここでは、施工管理のDX成功事例について、以下の3選を紹介します。
- A社:電子図面・書類管理をクラウド化
- B社:BIMの導入で工数削減
- C社:AIとドローンで劣化診断
1つずつ見ていきましょう。
A社:電子図面・書類管理をクラウド化
A社は、長年にわたり建設関連のデータを紙媒体や初期の電子データで保持していましたが、データの検索や管理に多くの時間と労力がかかっていました。
データベースの容量制限や検索機能の不足が課題で、業務効率が下がることも少なくありません。
実際にデータがみつからないことでのトラブルも頻発したため、保管データから必要な情報を迅速に探し出すためのシステム導入が不可欠と判断したのです。
そこで、クラウドベースのシステムを採用し、データのサムネイル表示や詳細な権限管理機能を利用できるように環境を整えました。
結果として、業務全体の効率化が進み、現在では大量のデータをクラウドデータベースに保管して、設計や施工現場からダイレクトにアクセスして活用しています。
B社:BIMの導入で工数削減
B社では、設計部門で3次元CADの使用は進んでいましたが、施工部門では未開拓の領域でした。
施工に必要な情報が設計BIMモデルに含まれていなかったためです。そこで、施工部門が自ら施工BIMモデルを作成し、施工図を作り上げるという取り組みを始めました。
このことは、施工現場にとって貴重な経験となり、BIMの活用が進むきっかけとなりました。
設計会社から受け取ったBIMモデルをもとに、施工図の作成や設備工事会社とのデータ共有が行われるという、貴重なノウハウを蓄積していったのです。
設計と施工現場間の情報共有がシームレスに行えるようになったことで、施工の手戻りの減少をはじめ、建築コストや工期の削減といった、大きな成果が得られました。
C社:AIとドローンで劣化診断
C社では、AIとドローンを活用して劣化診断を行っています。
まず、センサーやドローンで構造体の状況を感知し、カメラ画像の認識・分析を通じて劣化状況を検知することで、予防的な保全を実現しています。
AIの画像診断を活用すれば、建築物の経年劣化を早期に察知でき、適切な補修計画を立てるのに役立ちます。
AIとドローンを活用した技術により、建物の設計から完成後のメンテナンスまで一貫した管理ができ、補修かリノベーションかも迅速に判断できるようになりました。
施工管理DXの進め方
ここでは、施工管理DXの進め方について、以下の4点を解説します。
- 現状を把握して課題をみつける
- 改善策を立案する
- DX技術を導入する
- 検証・改善を行う
1つずつ見ていきましょう。
現状を把握して課題をみつける
施工管理DXの進め方の1つ目は、現状を把握して課題をみつけることです。
まずは、設計現場や施工現場の業務フローや使用しているツール、直面している問題点を詳細に観察し、理解することが重要です。
現場の状況を軽視すると、実務にはそぐわないDX施策を打ち立てる恐れがあるためです。結果として時間やリソースの浪費につながりかねないため、現場の意見を適切に反映させることは不可欠です。
改善策を立案する
施工管理DXの進め方の2つ目は、改善策を立案することです。
現場の課題を把握したあとは、問題に対する具体的な解決策を検討します。デジタル技術を活用して、問題をどのように効率よく解決できるかを考えることが重要です。
例えば、作業の自動化、データのデジタル化、リアルタイムでの情報共有などが効果的な手段として挙げられます。
建設業界では、施工内容ごとに必要なデジタル技術が異なるため、技術の選定は非常に重要です。期待した成果を上げるためにも、どの技術を取り入れるかは慎重に検討しましょう。
DX技術を導入する
施工管理DXの進め方の3つ目は、DX技術を導入することです。
改善策が決まり、使用する技術が決定した後は、実際のデジタル技術の導入に移ります。このとき、重要なのは技術をスムーズに活用できる環境を整えることです。
従業員に対して研修や勉強会を行い、DXツールの使い方や効果的な活用方法を理解させることが不可欠です。
また、現場での運用においても、効率的に活用できるようなインフラを構築し、現場に適してカスタマイズしていきましょう。
DX技術を現場に浸透させることで、施工業務全体の効率化と生産性向上が期待できます。
検証・改善を行う
施工管理DXの進め方の4つ目は、検証・改善を行うことです。
DX導入後は、収集されたデータを活用して、導入した技術や施策の効果を評価していきます。施策の実行に伴って明らかになった新たな問題点や課題に対しては、さらに改善策を講じて対応します。
改善作業のステップを省略すると、DX導入の効果を十分に引き出せず、長期的な競争力の低下につながることも少なくありません。
施工管理DXは、現場の深い理解、慎重な計画と導入、そして継続的な改善を行うことで、最大の効果を発揮します。
CrewWorks(クルーワークス)は、ビジネスチャット、タスク管理、Web会議などの仕事に使う機能が1つに統合された
ビジネスコミュニケーションツールです。
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まとめ
今回は、施工管理業務で活用可能な5つのデジタル技術と、施工管理DXの進め方を解説しました。
DX化で用いられるデジタル技術は、業務の効率化や生産性向上を図るだけでなく、現場での安全性を高める手段として有効です。
デジタル技術の導入は、現場の課題解決に大きな力を発揮します。施工管理の現場に即したDXを目指して、一歩を踏み出しましょう。
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