そこで今回は、FAQの基本概要・FAQが活躍する場面・導入のメリット・導入効果を高める方法を解説します。
【目次】
FAQとは?基本概要を解説
まずはじめに、FAQの基本概要を以下の3つの点から解説します。
- FAQとは何か?
- FAQが注目されている理由
- Q&Aとの違い
1つずつ見ていきましょう。
FAQとは何か?
FAQとは、1つの質問に対して1つの回答を提示する一問一答の回答方式です。Frequently Asked Questionsの単語の頭文字をとった略語で「エフエーキュー」と読みます。
一般的には企業サイトなどにある「よくある質問」がFAQです。よくある質問をデータベース化して、検索し問い合わせをしなくても、スムーズに疑問を解決できるようにするためのシステムです。
FAQが注目されている理由
FAQが注目されている理由の1つに、企業の人手不足が挙げられます。後期高齢化・人口減少などの影響により労働人口は今後も減少を続けるといわれています。
このような現状に対して、同じような問い合わせに毎回同じ回答を返していたり、人による対応が必要ない場所に人材を配置していたりすることで、貴重な人材・工数を無駄に使っている可能性があるのです。
このような課題に対してFAQを導入することで、質問者の自己解決率が向上します。人を介さないため、質問者が回答を得るまでの時間短縮につながります。
このことは、自社のサイトを訪れる顧客にとっても満足度が向上するきっかけになるといえます。
Q&Aとの違い
FAQとよく似たシステムでQ&Aがあります。
FAQは「よくある質問」で、顧客が関心を持っていることともいえます。自社の商品・サービスに関する質問であることが多いため、適切な回答を用意することで、顧客満足度を高めることにつながる期待ができます。
一方Q&Aは、回答に企業が発信したい情報が入っています。実際には質問の有無を問わないことから、発信側の企業が提供したい情報を一方的に流しているだけになってしまう懸念があります。
この場合、情報が顧客のニーズを満たしていない可能性があるといえます。
FAQとQ&Aでは、性質が異なるため状況に合わせて使い分けることが重要です。
FAQが活躍する場面
FAQは対顧客に限らず社内での活用も可能です。ここでは、FAQが活躍する場面として、以下の3つの点から解説します。
- 社内
- 顧客向け
- コールセンター
1つずつ見ていきましょう。
社内
FAQが活躍する場面の1つ目は、社内です。社内では日々多くの問い合わせが飛び交っています。
特に総務・情報システムに関連する部署への質問は多く、中でも同じような問い合わせが入ることは少なくありません。このような場面に対してFAQを導入することで、質問者は欲しい回答にスピーディにたどり着くことができます。
また、問い合わせを受ける側の部署では、回答に要する工数を抑えることができます。
関連記事:社内FAQを作成する4つのステップと3つの便利ツールとは?基本概要やメリット・デメリットも解説
顧客向け
FAQが活躍する場面の2つ目は、顧客向けです。顧客向けのFAQの多くは、自社のサイトに設置されています。
顧客が自社の商品・サービスに対して疑問を持ったときに、解決策がコールセンター・カスタマーサポートへの問い合わせだけでは、必要以上に時間を取られる可能性があり顧客は面倒に感じる懸念があります。
しかし、FAQを用意しておくことで、問い合わせを必要としない簡単な内容であれば、顧客はサイトを訪問するだけで問題を解決できます。
コールセンター
FAQが活躍する場面の3つ目は、コールセンターです。コールセンターが抱える課題の1つが人材不足です。
コールセンターにFAQを導入することで、簡単な問い合わせであればオペレーターを介さずに自動で顧客の問題を解決できます。コールセンター側にとっても、顧客の自己解決率を向上させることは、人材不足への対策になります。
FAQを導入するメリット
FAQはさまざまなシーンでの活用が期待できます。ここでは、FAQを導入するメリットについて、以下の3つの点から解説します。
- 顧客対応力を向上させる
- 問い合わせに対する工数を削減できる
- 自社のサイトの価値が向上する
1つずつ見ていきましょう。
顧客対応力を向上させる
FAQを導入するメリットの1つ目は、顧客対応力を向上させることです。
同じような問い合わせが頻繁に入ることで、対応する担当者の対応は回を追うごとに向上します。しかし、この場合、顧客に対しては誰が対応しても同じ品質での回答が望ましいといえます。
FAQを導入することで、顧客は担当者に左右されずに質の高い回答を受けることが可能になります。
また、よくある質問に対する回答の共有は、ナレッジマネジメントでいう「暗黙知」を「形式知」に変換することにつながるため、担当者間の理解の統一が進みます。
関連記事:暗黙知とは?ナレッジマネジメントで形式知化すべき理由・役立つツールも解説
問い合わせに対する工数を削減できる
FAQを導入するメリットの2つ目は、問い合わせに対する工数を削減できることです。
問い合わせの中には、同じような内容が含まれていることが少なくありません。このような質問に対して担当者が対応することは、無駄な工数の発生原因です。
FAQを導入することで、よくある質問はFAQへアクセスすることで解決が可能になります。そのため、担当者が問い合わせに対して割く工数を削減できます。
自社のサイトの価値が向上する
FAQを導入するメリットの3つ目は、自社のサイトの価値が向上することです。
顧客が自社の商品・サービスに対して質問をしたくなることは、自社への興味関心が高まっている状態ともいえます。
そのため、顧客からの質問内容が一問一答でまとめてあり、知りたい情報が充実していれば、顧客満足度を高めることができます。
FAQの充実は顧客満足度を高めると同時に、訪問者・滞在時間を増加させ、Googleの検索エンジンからの評価向上にもつながるのです。そのためSEO施策の1つになることが期待できます。
FAQの導入効果を高めるためのポイント
FAQを導入することは自社にとっては、さまざまなメリットにつながります。ここでは、FAQの導入効果を高めるためのポイントを、以下の3つの点から解説します。
- 顧客からの質問を多く集めておく
- こまめに追加・編集を行う
- 回答内容を統一する
1つずつ見ていきましょう。
顧客からの質問を多く集めておく
FAQの導入効果を高めるためのポイントの1つ目は、顧客からの質問を多く集めておくことです。
FAQを導入する場合、最初は少数でテストしながらのスタートを検討しがちですが、スタート時から質問を充実させることがおすすめです。
最初から多くのFAQが掲載されていることで、はじめて訪問した顧客は「ここを見ると解決できる」と理解します。
しかし、FAQの量が少ないと一度サイトを訪問しただけでは、顧客の疑問を解決できない可能性があり、顧客からの信頼の低下を招く可能性があります。
FAQを導入するときは、性別・年齢などの属性を意識しながら作成し、最初から多くの一問一答を掲載することをおすすめします。
こまめに追加・編集を行う
FAQの導入効果を高めるためのポイント2つ目は、こまめに追加・編集を行うことです。FAQは一度作成して終わりではありません。
自社で新しい商品・サービスが展開されるたび、また、新しいシステムの導入時にも顧客からの問い合わせが増える可能性があります。FAQの提供は、自社のサービスの1つとして考えると良いでしょう。
しかし、「問い合わせがあった内容をすべて掲載する」では、顧客が必要とする回答に辿り着きにくくなる可能性があります。
そのため、FAQを定期的に見直し、問い合わせが増加している内容については顧客から見つけやすい場所に持ってきたり、検索しやすくしたりするなど見やすく探しやすい編集を行うと良いでしょう。
こまめに追加・編集を行うことで、顧客満足度を低下させないようにすることが求められます。
回答内容を統一する
FAQの導入効果を高めるためのポイント3つ目は、回答内容を統一することです。
自社サイトのFAQを充実させるのと同時に、メール・電話での対応に関しても同じレベルで回答できるようにすることが重要です。
そのため、FAQに掲載した内容は、社内の部署に通達しメール・電話でもFAQと同品質の回答ができるよう情報を共有することが必要です。
関連記事:情報共有を効率化するコツ!仕組みの作り方やツールの選び方も解説
まとめ
今回は、FAQの基本概要・FAQが活躍する場面・導入のメリット・導入効果を高める方法を解説しました。
FAQの導入は、企業の人材不足への対策になると同時に、顧客からの質問に対する自己解決率向上につながるため、結果的に顧客満足度が向上するといえます。
FAQは、できるだけ内容を充実させ顧客からの信頼を得ると同時に、対応の品質を向上させることで顧客満足度向上を目指しましょう。また、FAQは、ツールを活用すれば作成・管理がスムーズに行えます。
導入を検討中の担当者の方は「おすすめのFAQシステム5選を紹介!導入効果・効果を高める選び方も解説」もぜひご覧ください。
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