働き方改革

2025/9/12
[更新日] 2025/9/12

業務量の可視化でムダ削減！メリット・方法・おすすめツールを徹底解説

働き方改革の推進や人手不足が深刻化する中、業務量の可視化を検討する企業は増えています。
「忙しく働いているのに成果が出ない」「誰がどれだけの業務を抱えているのか分かりにくい」といった課題を抱える所も少なくありません。

このような状況下において、業務のムダや偏りの可視化は、生産性の向上や人員配置の最適化につながります。

本記事では、業務量の可視化について概要・メリット・ステップなどをわかりやすく解説するとともに、おすすめツールも紹介していきます。

【目次】

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業務量の可視化とは

業務量の可視化とは、組織や部門全体で誰がどのような業務をどれだけ抱えているのかを「見える化」することを指します。

業務の内容・所要時間・担当者ごとの負荷などを数値やグラフで把握することで、業務の偏りやムダを客観的に分析できるようになるのです。

これにより、「特定の人に業務が集中している」「本来不要な作業に時間を取られている」といった課題が浮き彫りになり、改善策の立案が可能です。

業務量の可視化は業務の効率化や人材の最適配置、残業の削減など、働き方改革の一環としても注目されています。

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業務量の可視化がもたらすメリット

ここでは、業務量の可視化がもたらすメリットについて、以下の4点を解説します。

適正な分配
生産性向上
公平な評価
従業員の満足度向上

1つずつ見ていきましょう。

適正な分配

業務量の可視化がもたらすメリットの1つ目は、適正な分配です。

組織や部門全体の業務量を見える化することで、各従業員がどれほどの業務を担っているのかを明確に把握できます。

その結果、特定の人に業務が偏っていたり、逆に手が空いている人がいたりする状況を発見しやすくなるでしょう。

業務負担の偏りを是正することで、チーム全体のパフォーマンスを高めると同時に、従業員の不満やストレスの軽減にもつながります。

適切な人員配置や業務の見直しによって、より効率的で持続可能な働き方の実現が可能です。

関連記事：平準化とは？標準化との違いや業務で実施するポイントをわかりやすく解説

生産性向上

業務量の可視化がもたらすメリットの2つ目は、生産性向上です。

業務量を正確に把握することで、誰がどの作業にどれだけの時間をかけているかが明確になり、ムダや重複作業を発見しやすくなります。

そのうえで業務を適正に分配すれば、個々の負担が均等になり、チーム全体のパフォーマンスが最適化され、生産性向上につながるでしょう。

また、従業員が自分のタスクと時間配分を客観的に見直せるようになり仕事の進め方そのものも改善し、生産性がアップします。限られたリソースでもより高い成果を出せるようになるのです。

公平な評価

業務量の可視化がもたらすメリットの3つ目は、公平な評価です。

各業務量を見える化することで、誰がどのような仕事をどれだけこなしているのかを客観的に把握できるようになります。

これにより、評価者の主観に頼らず、実際の成果や負担に基づいた人事評価が可能となり、不公平感による従業員の不満を軽減できます。

特に目立ちにくい業務や裏方の作業も正当に評価されるようになり、従業員のモチベーション向上や離職防止にもつながるでしょう。

従業員の満足度向上

業務量の可視化がもたらすメリットの4つ目は、従業員の満足度向上です。

業務量の可視化によって日々の業務内容や負荷を正確に把握することで、努力が見える化され、上司や組織から正当に評価されやすくなります。

「頑張っているのに評価されない」といった不満が解消されることで、モチベーションが高まり、前向きに業務へ取り組む姿勢が育まれるでしょう。

また、過度な業務負担も可視化されることで、早期のフォローや配置見直しも可能になり、働きやすい環境づくりにもつながります。

こうした仕組みが整うことで、従業員の安心感と満足度が大きく高まるでしょう。

業務量を可視化する方法

ここからは、業務量を可視化する方法を解説します。

実測法
実測法は、担当者が実際に業務を行っている場面を第三者が観察し、作業時間や頻度をもとに業務量を測定する方法です。
客観的なデータが得られるため信頼性が高く、正確な可視化が可能です。観察コストや対象業務の選定には注意が必要です。
実績記入法
実績記入法は、従業員自身が業務ごとの作業時間や内容を記録媒体に記入する方法です。
主観的な記録にはなりますが、実際の作業内容を本人の視点で詳細に把握できる点がメリットでもあります。
手間がかかるため、負担軽減のため簡易なフォーマットで記入するのが効果的です。
推定比率法
推定比率法は、1日の就業時間の中で各業務が占める時間比率を本人の申告などから推定し、業務量を導き出す方法です。
詳細な記録は不要で手軽に実施できるメリットがある一方、主観に依存しやすく、正確性に限界がある点には注意が必要です。
合成法
合成法は、過去の実測データや他の可視化手法で得た情報をもとに、ある業務の業務量を推測し、平均値を算出する方法です。
全業務を個別に測定できない場合でも、全体像を把握しやすく、効率的な分析に役立ちます。

関連記事：KPI管理で業務プロセスを可視化！必要とされる背景やポイントも解説

業務量を可視化するステップ

ここでは、業務量を可視化するステップについて、以下の6点を解説します。

対象業務選定
現状の整理
改善点の洗い出し
対策導入
レビュー
評価・改善

1つずつ見ていきましょう。

対象業務選定

業務量を可視化するステップの1つ目は、対象業務選定です。

対象業務選定とは、どの部門・業務を可視化の対象とするかを明確に決める工程です。

全業務を一度に可視化しようとすると手間やコストが膨大になるため、まずは業務負荷が偏りやすい部門や、非効率が疑われる業務から優先的に選定しましょう。

また、定型業務か非定型業務かといった分類も、適切な可視化手法の選定につながります。

目的と課題を明確にしたうえで対象業務を絞り込むことで、可視化の成果を高め、業務改善へとつなげやすくなります。

現状の整理

業務量を可視化するステップの2つ目は、現状の整理です。

現状の整理では、現在行われている業務をすべて洗い出し、担当者や部門ごとにどのような業務が行われているかを明確にします。

そのうえで、業務の流れや関係性がひと目でわかるように整理・可視化すれば、重複やムダ、属人化している業務などの課題を発見しやすくなります。

現場の従業員へのヒアリングも重要です。実際の運用に即した情報を集めることで、実態に合った業務量把握が可能となり、的確な改善施策の土台を築けます。

改善点の洗い出し

業務量を可視化するステップの3つ目は、改善点の洗い出しです。

現状の整理によって見えてきた業務の偏り・ムダ・非効率なプロセスに対して、業務に関わる部署やメンバーが集まり、現場の視点で課題を共有・整理し、改善点を洗い出していきます。

単に表面的な問題を指摘するのではなく、それらの問題を引き起こしている根本的な原因を特定することが重要です。

例えば、業務が属人化していたり、非効率なツールを使っていたりといった背景に目を向け、改善策を検討しましょう。継続的な業務改善と組織全体の効率化につながります。

関連記事：業務の属人化とは？原因・リスクと改善するための5つのステップを解説

対策導入

業務量を可視化するステップの4つ目は、対策導入です。

洗い出した中から適切な改善策を現場に導入していきます。ただし、最初から大規模に変えようとすると現場の混乱や反発を招く恐れがあるため、まずは一部の部門や業務に絞ってスモールスタートで始めるのが効果的です。

小さな成功体験を積み重ねながら、成果や効果を検証し、必要に応じて調整を行うことで、無理なく全体へ展開できます。

現場の理解と協力を得ながら、実効性のある改善を着実に進めていきましょう。

レビュー

業務量を可視化するステップの5つ目は、レビューです。

導入した対策が現場で正しく機能しているか、定期的にレビュー・評価することが欠かせません。レビューを行うことで、業務のムダや偏りをさらに明確化でき、新たな課題や改善点を早期に発見できます。

また、レビュー結果をデータとして蓄積・分析すれば、今後の業務量の可視化の精度向上や人員配置の最適化にも役立ちます。

評価・改善

業務量を可視化するステップの6つ目は、評価・改善です。

業務フローは一度改善したら終わりではなく、実際の運用を通じて定期的に振り返りを行い、現場での変化や課題に応じて柔軟に見直す必要があります。

その時には、業務マニュアルも併せて更新し、現状に合った内容に保つことが効果的でしょう。

業務の効率化や公平な分担を継続的に維持するには、現場の声を反映した定期的な評価と、アップデートを続ける姿勢が不可欠です。

業務量の可視化における課題Q&A

ここでは、業務量の可視化における課題Q&Aについて、以下の3点を解説します。

数値が信用できない
見ても行動につながらない
ツール導入するも定着しない

1つずつ見ていきましょう。

数値が信用できない

業務量の可視化における課題Q&Aの1つ目は、「数値が信用できない」です。

業務量の可視化に取り組んでも、「可視化で出した数値が信用できない」という課題が生じることがあります。その原因の一つは、記録方法や可視化手法の信頼性にあります。

例えば、手書きの記録や主観的な申告に頼る方法では、データの正確性に疑問が残ることも多いでしょう。

このような不安を解消するには、業務内容を自動で記録・集計できるツールを導入し、客観的なデータに基づく可視化を行うことが有効です。

また、ツールの使い方や集計の前提条件についても社内で共有し、共通理解を持ちましょう。信頼できる数値は、改善施策の効果検証にも不可欠です。

見ても行動につながらない

業務量の可視化における課題Q&Aの2つ目は、「見ても行動につながらない」です。

業務量を可視化しても、「見ても行動につながらない」と感じるケースは少なくありません。その理由の多くは、可視化によって得た情報をどう活用するかが不明確なことや、改善策が抽象的すぎることに起因します。

せっかく業務のムダや偏りが見えても、改善策が具体性に欠けていたり、現場で実行不可能な内容では意味がありません。

改善策は「誰が・いつまでに・何をするか」を明確にし、現実的に実施できる内容に落とし込むことが重要です。

関係者が納得しやすい形で改善計画を立てることで、実行力のある業務改革を行えます。

ツール導入するも定着しない

業務量の可視化における課題Q&Aの3つ目は、「ツール導入するも定着しない」です。

業務量の可視化を目的にツールを導入しても、「うまく定着しない」といった課題に直面する企業も少なくありません。その原因の多くは、導入したツールが現場の業務フローや使い方に合っていないことにあります。

例えば、操作が複雑だったり、記録の手間が増えるようなツールでは、従業員の負担が増し、利用しなくなるでしょう。ツール選定の時は、可視化したい業務の特性や従業員のスキルレベルに適したものを選ぶことが重要です。

また、導入初期には使い方の研修やサポート体制を整えることで、現場へのスムーズな定着と継続的な活用を期待できます。

関連記事：【2025年版】タスク管理の共有におすすめのツール7選

業務量の可視化におすすめツール8選

ここでは、業務量の可視化におすすめツールについて、以下の8点を解説します。

CrewWorks
TimeCrowd
ez-PCLogger
MITERAS仕事可視化
MylogStar
みえるクラウドログ
remopia
Syteca

1つずつ見ていきましょう。

CrewWorks

CrewWorks（クルーワークス）は、報連相・タスク管理・Web会議など、日常業務に必要な機能を1つに統合したオールインワンのコミュニケーションツールです。チャット・業務タスク・会議記録が1画面に集約され、情報の見逃しを防ぎながら業務の全体像と個々の従業員の業務量を可視化できます。情報が自動的に構造化されるため容易にナレッジ整理も行えます。

CrewWorksの特徴

多彩なタスクの表示方法で業務量を可視化
AIアシスタントによるナレッジ活用
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詳細はこちら: https://crewworks.net/

TimeCrowd

TimeCrowdは、チームや個人の「時間の使い方」を可視化する業務管理サービスです。作業ごとに時間を記録することで、誰がどの業務にどれだけの時間を費やしているかの明確な把握、業務の棚卸しやマニュアル整備、業務改善に活用できます。シンプルな操作性とリアルタイムでのデータ共有が特長で、リモートワークや複数拠点での業務管理にも対応しています。

TimeCrowdの特徴

シンプルな操作性で業務ごとの時間を記録
チーム全体で進捗共有
トライアル可能（要お問い合わせ）

詳細はこちら: https://timecrowd.net/

ez-PCLogger

ez-PCLoggerは、NDS株式会社が提供する業務内容の記録・可視化ツールで、従業員のPC操作ログを自動で収集・集計します。業務実態を定量的に把握できるため、業務マニュアル作成や業務改善のベースデータとしても活用可能です。CSV形式でのレポート出力やユーザー別の操作分析により、正確で再現性のある記録が実現します。

ez-PCLoggerの特徴

PC操作を自動で記録
業務内容を定量的に可視化
1ヶ月間全ての機能を無料で利用可能

詳細はこちら: https://www.nds-tyo.co.jp/ez-pclogger/

MITERAS仕事可視化

MITERAS仕事可視化は、勤務状況を正確に把握することで労務リスクをゼロにするサービスです。PCの操作ログを自動で取得し、従業員の働き方や業務内容を「見える化」します。これにより、業務マニュアル作成や業務改善の基礎データとして活用できるほか、長時間労働の是正や生産性向上にもつながります。労務管理やコンプライアンス強化にも対応可能です。

MITERAS仕事可視化の特徴

PC操作ログを自動記録
勤務状況から業務内容を見える化
10日間の無料トライアル有

詳細はこちら: https://hr-miteras.jp/

MylogStar

MylogStarは、PC操作ログ管理ツールで、ユーザーのアプリ利用状況やファイル操作履歴、Webアクセスなどの行動を詳細に記録・分析できます。業務の可視化や情報漏えい対策、内部統制の強化に役立ち、マニュアル整備や業務改善の基礎データとしても活用可能です。オンプレミス型とクラウド型の両方に対応しており、組織のニーズに応じた柔軟な導入が可能です。

MylogStarの特徴

アプリ・Web操作を記録
クラウド・オンプレ両対応
30日間の無料トライアル有

詳細はこちら: https://www.mylogstar.net/

みえるクラウドログ

みえるクラウドログは、PCの操作ログを収集・可視化するクラウド型のIT資産管理ツールです。従業員の業務状況やPC利用状況を自動で記録し、働き方の実態把握や業務改善、マニュアル整備に活用できます。Web閲覧・アプリ使用・ファイル操作などを詳細に記録し、管理者がリアルタイムで確認可能です。

みえるクラウドログの特徴

PC操作ログを自動記録
クラウド型で手軽に導入
月額30,000円（税抜）〜利用可能

詳細はこちら: https://mierucloud.co.jp/log/

remopia

remopiaは、アプリケーションやWebの利用状況、キーボード・マウス操作の記録などを自動で取得し、業務の実態をデータとして蓄積・分析可能なサービスです。特にリモートワーク環境において、勤務実態の把握ができます。業務マニュアルの見直しや労務リスクの検出などに活用されており、セキュリティ強化も可能です。

remopiaの特徴