議事録作成にかかる時間は平均320時間/年!?時間がかかる要因と改善策を解説

一方で、議事録作成には時間がかかるため、従業員にとって大きな負担になっていることも事実です。
詳細は後述しますが、議事録作成に費やす時間は平均320時間/年との調査結果もあります。
議事録作成時間を少しでも削減できれば、業務の負担が減り、余った時間でより本質的な業務を進められるでしょう。
ここで今回は、議事録作成にかかる平均時間の調査結果に加え、議事録作成に時間がかかる要因とその対策を解説します。
【目次】
議事録作成に費やす時間は平均320時間/年!?
議事録作成の平均時間について、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が調査を実施しました。その結果は、議事録作成の負担が想像以上に大きいことを示すものでした。
【調査概要】
調査方法 |
インターネット調査 |
調査対象 |
全国のビジネスパーソン(20〜59歳)で、勤め先にて議事録作成業務のある者 |
有効回答数 |
調査対象1000サンプルのうち、1年以内に議事録作成経験がある735サンプル |
調査期間 |
2022年12月16日~12月20日 |
アンケート項目(一例) |
・議事録の作成業務頻度 ・DXの効果 ・会議への参加頻度 ・議事録作成に求められるレベル ・議事録作成サポートツールを使いたいか ・議事録作成の時間を削減できたら、余った時間をどう使うか ・Web会議の利用頻度と、頻度が増えた場合の議事録作成業務負担 |
ここでは、「議事録作成の平均時間に関する調査結果」の重要ポイントについて、以下の2点を解説します。
- 67%の従業員が議事録作成に負担を感じている
- 70%の回答者が議事録の必要性を感じている
1つずつ見ていきましょう。
67%の従業員が議事録作成に負担を感じている
「議事録作成の平均時間に関する調査結果」の重要ポイントの1つ目は、67%の従業員が議事録作成に負担を感じていることです。
週1回以上会議に参加している従業員では、67.2%もの回答者が議事録作成に負担を感じていると回答しました。
特に20代の若手従業員が議事録作成を担う傾向が強く、1週間あたり平均8.46時間もの時間を費やしています。
オンライン会議の普及でかえって業務効率が低下している側面もあり、議事録作成のデジタル化に対し期待が高まっています。
関連記事:議事録とは?目的や記載すべき内容・書くコツなどをまとめて解説
70%の回答者が議事録の必要性を感じている
「議事録作成の平均時間に関する調査結果」の重要ポイントの2つ目は、70%の回答者が議事録の必要性を感じていることです。
議事録について、「作成は必要」・「エビデンスとして有効」と回答した方は、いずれも70%超でした。
また、AIやサポートツールなどの活用についても、多くのユーザーはポジティブな回答をしていましたが、実際の利用者は1.4%だけでした。
関連記事:議事録の基本を解説!社内会議から法定の様式まで押さえておくべきポイントを紹介
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議事録作成にかかる平均時間が増大する要因
ここでは、議事録作成にかかる平均時間が増大する要因について、以下の5点を解説します。
- 準備不足
- 入力の手が止まりやすい
- 会議の録画・録音に頼りすぎる
- 過剰に細かくメモを取っている
- 編集に時間がかかっている
1つずつ見ていきましょう。
準備不足
議事録作成にかかる平均時間が増大する要因の1つ目は、準備不足です。
会議前の準備が不十分だと、議事録作成にも影響が出かねません。
▼会議前にできる準備(一例)
- 議事録フォーマットの準備
- アジェンダや出席者の確認
- 前回会議における継続課題の把握
これらの準備が不足していると、会議中にメモ取りすべきタイミングを逃すことや、体裁を整えることに注意が向いてしまい、重要な情報を聞き逃す可能性があります。
早く正確に議事録を作成するには、事前の入念な準備が欠かせません。
入力の手が止まりやすい
議事録作成にかかる平均時間が増大する要因の2つ目は、入力の手が止まりやすいことです。
内容の理解に集中するあまり、議事録作成の手が止まってしまうこともあるでしょう。会話の本質を捉えた議事録作成が求められますが、会議についての知識や理解が不足していると、メモ取りに支障をきたすかもしれません。
会話の進行についていけないため、会議全体を振り返らなければならないこともあるでしょう。 議事録担当者は、内容の理解の事前準備と同時に、メモを取り続けるスキルが必須です。
会議の録画・録音に頼りすぎる
議事録作成にかかる平均時間が増大する要因の3つ目は、会議の録画・録音に頼りすぎることです。
リモート会議が一般的になったこともあり、昨今では会議の録画・録音に頼りすぎる傾向が見られます。
しかし、会議中に何もせず、会議終了後に録画・録音や議事録作成を行うと、議事録作成に余計な時間を費やす結果になりかねません。
これでは非効率的です。ツールに依存しすぎず、その場で理解してメモを取ることが大切です。
過剰に細かくメモを取っている
議事録作成にかかる平均時間が増大する要因の4つ目は、過剰に細かくメモを取っていることです。
議事録作成のため必要以上に詳細な記録を取ることは、時間の浪費です。会議内容で本当に共有しなければならない項目は、限られています。
大切なことは、会議中の発言を一言一句漏らさず記載することではなく、会議目的・結論・重要決定事項・ネクストアクションなど、本質的な情報に焦点を当てることです。
簡潔で要点がわかりやすい議事録にすれば、作成時間を短縮でき、読み手にとっても理解しやすくなるでしょう。
関連記事:議事録を作成しているときにメモが追いつかない!その要因と対処法を解説
編集に時間がかかっている
議事録作成にかかる平均時間が増大する要因の5つ目は、編集に時間がかかっていることです。
編集・推敲に時間をかけすぎると、議事録作成の効率を大きく下げてしまいます。議事録の要点の精度を高めることは必要ですが、完璧を求めるあまり細かな表現の修正に時間を費やすことは意味がありません。
重要なことは、あくまでも会議の決定事項や重要ポイントを正確に伝えることです。文章の推敲に固執して本来の目的を見失ってはいけません。重要な情報を正確に記録し、簡潔な文章で要点をまとめましょう。
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイント
ここでは、議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントについて、以下の7点を解説します。
- 効率的なメモ方法をマスターする
- メリハリをつけてメモを取る
- フォーマットを事前に用意しておく
- 会議で重要なポイントを事前に押さえる
- 会議直後に完成させる
- ツールを活用する
- ツールの便利な機能を効果的に使いこなす
1つずつ見ていきましょう。
効率的なメモ方法をマスターする
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの1つ目は、効率的なメモ方法をマスターすることです。
効率的なメモ方法としてよく採用される方法を、以下に2つ解説します。
▼代表的なメモ方法
コーネル式 |
用紙を縦に2分割し、左側に小さめの枠でテーマやキーワードを記載し、右側に大きめのメモスペースを設ける方法。全体の流れや議論のポイントを掴みやすいことが特徴。 |
アウトライン式 |
すでに決まっている議題やタイムテーブルについて、テーマやポイントごとに用紙を準備し、その下にメモスペースを用意する方法。議題ごとの内容がわかりやすいことが特徴。 |
関連記事:議事録の書き方を3ステップで解説!目的と分かりやすく書くコツも紹介
メリハリをつけてメモを取る
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの2つ目は、メリハリをつけてメモを取ることです。
必要に応じて略語や記号などを取り入れることで、正確さを残しつつ素早くメモ取りができます。特に、参加者や頻出すると予想される用語については、あらかじめ略語や記号を決めておきましょう。
一方で、会議で重要なポイントになる可能性が高い固有名詞・具体的数値・期日・達成目標などについては、特に正確にメモを取るよう心がけなければなりません。
フォーマットを事前に用意しておく
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの3つ目は、フォーマットを事前に用意しておくことです。
フォーマットを用意しておくことで、議事録内容を考える労力を軽減できるため、聞き漏らしを減らして完成度を高めやすくなるでしょう。
▼フォーマットで記載すべき事項(一例)
- 日時
- 場所
- 出席者
- 欠席者
- 議題
- 決定事項
- 議論内容
- 懸案事項
- 次回の議会開催日
- 次回の議題
会議で重要なポイントを事前に押さえる
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの4つ目は、会議で重要なポイントを事前に押さえることです。
会議の目的や議論する内容を事前に十分理解しておけば、議事録作成の効率が大幅に向上するでしょう。
会議の大まかな趣旨や流れを把握していれば、記載すべき内容や関係者が知りたいポイントを的確に押さえられるからです。
また、提示されたアイデアや具体的な議論の要点を事前に把握していれば、会議中の聞き漏らしも防げるでしょう。
会議直後に完成させる
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの5つ目は、会議直後に完成させることです。
時間が経つと、議事録作成担当者だけでなく参加者も会議内容を忘れていくものです。そのため、話し合いの内容を鮮明に記憶している間に議事録を作成しましょう。
また、議事録は会議後24時間以内に関係者に提出することが一般的です。できるだけ早く作成し、関係者に共有しましょう。
ツールを活用する
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの6つ目は、ツールを活用することです。
議事録作成ツールを使えば、議事録作成の効率化を実現できます。例えば、音声入力機能で会議の音声を自動的にテキスト化すれば、手書きや手入力の手間を大幅に削減できます。
また、クラウド上で議事録データを保管すれば関係者が簡単に内容確認でき、時系列での管理も可能です。
関連記事:議事録自動作成ツールでクラウド管理を実現しよう!おすすめ5選も紹介!!
ツールの便利な機能を効果的に使いこなす
議事録作成にかかる平均時間を削減するポイントの7つ目は、ツールの便利な機能を効果的に使いこなすことです。
多くの議事録作成ツールには、議事録作成を補助する機能が豊富に用意されています。例えば、文章校正機能があれば誤字脱字や文法ミスを簡単にチェックできるため、文書の品質向上に有用です。
また、共同編集機能があれば複数人で作業を分担でき、個々の負担を軽減しつつ効率的に議事録を作成できます。
関連記事:議事録自動作成ツールのおすすめ7選を紹介!選定のポイントや自動で作成するメリットを解説
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まとめ
今回は、議事録作成にかかる平均時間の調査結果に加え、議事録作成に時間がかかる要因とその対策を解説しました。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社によると、議事録作成自体の必要性は感じている方が多いものの、それを手間に感じている方も大勢いました。
議事録作成は、会議に向けた準備不足や過剰に細かくメモを取る場合などに、必要以上に時間がかかります。
それを防ぐには、効率的なメモ方法をマスターすることや議事録作成ツールを活用することなどが有効です。
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