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文書管理の電子化とは?実施方法からメリット・注意点まで詳しく解説
文書管理の電子化とは?実施方法からメリット・注意点まで詳しく解説
現代では、リモートワークの普及や電子帳簿保存法の改正などの影響から、文書の電子化に踏み切る企業が増えています。しかし、従来より慣れ親しんだ紙文書での業務とその管理を、すべて電子データに移行するのは容易ではありません。

「紙ではなく電子データで保存するメリットは?」「大量にある社内文書を、電子化する効率的な方法は?」などの疑問を持つ人もいるでしょう。そこで今回は、文書管理の電子化を実施する方法とメリット・注意点を解説します。

【目次】

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文書管理の電子化とは

文書管理の電子化とは

ここでは、文書管理の電子化について、以下の2点を解説します。

  • 文書電子化の概要
  • 文書電子化に関連する法律

1つずつ見ていきましょう。

文書電子化の概要

文書電子化とは、紙の書類をパソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスで扱いやすくするために、電子ファイルとして変換することを指します。電子化する書類には、契約書や企画書、見積書など、業種ごとにさまざまな文書があります。

また、文書電子化は、元々紙ベースの文書をデジタル化することに加えて、電子文書の作成や承認工程自体をデジタルで完結させることも意味します。文書の電子化により、場所に束縛されることなく文書が閲覧できるため、業務の効率化が見込めます。

文書電子化に関連する法律

かつては紙の形式でのみ保管されていた文書について、近年の法改正により電子化および電子保管が可能になりました。文書の電子化に関する法律には、「e-文書法」と「電子帳簿保存法」の2つがあります。

e-文書法

e-文書法は、商法や税法に基づいて保存義務のある文書の電子保存を許可する法律です。e-文書法では、文書の可読性・完全性・機密性・検索性の4つの要件が規定されています。医療・証券・保険など、多くの業界で必要な法定書類を電子保存するには、e-文書法の規定に則る必要があります。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、財務省と国税庁が管理している法律で、税務に関連する帳簿や文書の電子保存を認めるものです。2024年1月から、取引先と電子データでやりとりした書類は、定められた保存方法に則って、データのまま保存することが義務付けられるようになりました。電子帳簿保存法の要件には、真実性・読みやすさ・検索機能の確保などがあります。国税関連の文書や注文書、請求書などを電子保存するときには、電子帳簿保存法の要件を満たすことが大切です。

文書管理を電子化するメリット

文書管理を電子化するメリット

ここでは、文書管理を電子化するメリットについて、以下の5点を解説します。

  • 文書関連業務の効率化が図れる
  • 文書が探しやすくなる
  • 文書の保管スペースを削減できる
  • 文書の紛失・劣化を防げる
  • 法律に準拠した管理ができる

1つずつ見ていきましょう。

文書関連業務の効率化が図れる

文書管理を電子化するメリットの1つ目は、文書関連業務の効率化が図れることです。

文書を電子化することで、印刷や郵送にかかる費用と手間を削減できます。紙の書類を直接手渡しする必要はなく、パソコンなどのデジタルデバイスを通じて即座に文書を送信でき、受け取り側も都合の良いときに文書を開けます。場所にとらわれずに処理作業ができるため、社外はもちろん社内の情報共有にも役立つでしょう。

文書が探しやすくなる

文書管理を電子化するメリットの2つ目は、文書が探しやすくなることです。

大量の紙の文書やファイルから、特定の書類を探すのは困難を極めます。一方で、電子化した文書であれば、検索機能を使って迅速に目的の文書を探し出せます。タイトル・検索キーワード・作成日・更新日など検索手段も複数あるため、文書が見つかりやすく生産性の向上が期待できます。

文書の保管スペースを削減できる

文書管理を電子化するメリットの3つ目は、文書の保管スペースを削減できることです。

業務に必要な書類をすべて紙で保管する場合、ファイル類を保管するスペースを確保しなくてはなりません。書類の量によっては保管のための倉庫を借りるなど、費用がかかるケースもあるでしょう。文書を電子化して保存すれば、保管場所と保管にかかる費用を節約できます。

文書の紛失・劣化を防げる

文書管理を電子化するメリットの4つ目は、文書の紛失・劣化を防げることです。

電子文書や電子化された文書は、インクの褪色や水濡れによる劣化などのリスクがありません。そのため、電子文書やデジタル化された文書は長期保存に適していると言えます。ただし、電子化した文書でも、誤ってデータを損失してしまう場合もあり、圧縮・フォーマット変換によって品質の低下が起こる可能性があることも理解しておきましょう。

法律に準拠した管理ができる

文書管理を電子化するメリットの5つ目は、法律に準拠した管理ができることです。

文書の電子化サービスや文書管理システムを用いて、法規制に適合した形で文書を保存できます。なお、システムを選ぶときにはタイムスタンプや電子署名の機能が備わっているかを確認することも大切です。

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文書を電子化して文書管理する方法

文書を電子化して文書管理する方法

ここでは、文書を電子化して文書管理する方法について、以下の5点を解説します。

  • 電子化する文書を選別する
  • データの形式や解像度を決める
  • データの保存場所を決める
  • スキャンする
  • 整理する

1つずつ見ていきましょう。

電子化する文書を選別する

文書を電子化して文書管理する方法の1つ目は、電子化する文書を選別することです。

必要のない文書まで電子化してしまうと、電子化にかけた労力やコストが無駄になってしまいます。実務を行う担当者に、よく閲覧される書類、遠隔地からデバイス上でも閲覧したい書類、迅速に確認したい書類を聞き取り、必要な文書だけを電子化しましょう。不要な書類があれば、処分することも大切です。

データの形式や解像度を決める

文書を電子化して文書管理する方法の2つ目は、データの形式や解像度を決めることです。 長期的な運用を視野に入れ、データ保管のルールを事前に決めておくことをおすすめします。例えば、下表のような仕様を参考にしてください。

文書サイズ

A4・A3などの統一サイズでスキャンする

解像度

高い解像度は避け、文書の種類に合わせた適正値を選択する

一般文書200dpi、詳細文書300〜400dpi程度

ファイル形式

PDF、または画像ファイル形式(jpg, png)を指定する

ファイル名

​​検索しやすい統一ルールを策定する

データ階層

保存時のフォルダ階層に関するルールを定め、周知徹底する

データベース化

取引先・契約日など属性データを入力する

OCR処理

OCRソフトウェアの使用を検討する

データの保存場所を決める

文書を電子化して文書管理する方法の3つ目は、データの保存場所を決めることです。

電子データの保管先としては、自社サーバーやHDD、外部のデータセンター、クラウドストレージなどがあります。自社サーバーは自由にカスタマイズができる一方で、設置や管理にはコストがかかり、容量を拡張するときにも手間がかかります。クラウドストレージは導入にかかるコストを削減できますが、インターネット環境下でなければ利用できません。自社の目的や利用者の人数などを総合的に判断して、適切な保存場所を選びましょう。

スキャンする

文書を電子化して文書管理する方法の4つ目は、スキャンすることです。

データの形式と保管先が決まったら、実際のスキャン作業に取り掛かります。少量であれば社内で作業することも可能ですが、大量の文書を短時間で電子化したい場合には、専門の業者に作業を委託することも検討すべきと言えます。外注することで、自社のリソースを使わずに効率的かつ迅速に電子化を進められるでしょう。

整理する

文書を電子化して文書管理する方法の5つ目は、整理することです。

策定したルールに基づき、ファイル名や保存形式を確認してフォルダに格納していきます。整理された文書はアクセスがしやすく検索性が上がるため、業務効率を高めることにもつながります。

文書管理を電子化するときの注意点

文書管理を電子化するときの注意点

ここでは、文書管理を電子化するときの注意点について、以下の5点を解説します。

  • 電子化やシステムの導入・運用に費用がかかる
  • 保存要件にあった電子化ができるかを確認する
  • 原本の保管・処分をする
  • 電子署名やタイムスタンプを併用する
  • セキュリティ対策が必要になる

1つずつ見ていきましょう。

電子化やシステムの導入・運用に費用がかかる

文書管理を電子化するときの注意点の1つ目は、電子化やシステムの導入・運用に費用がかかることです。

文書管理を電子化するときには、初期費用としてスキャナーの購入やシステムの設置費用がかかります。また、電子化されたデータを管理するためのソフトウェアやサーバー、運用・保守のための費用がかかることも考慮しておきましょう。

保存要件にあった電子化ができるかを確認する

文書管理を電子化するときの注意点の2つ目は、保存要件にあった電子化ができるかを確認することです。

前述した通り、e-文書法の保存要件に適合するには、文書の見読性・完全性・機密性・検索性を確保する必要があります。言い換えると、内容が明瞭に読み取れ、不正な変更がされていないこと、そして高いセキュリティを有するシステムで管理されており、必要なときにすぐに文書にアクセスできる状態であることが大切です。

また、電子帳簿保存法の適用を受ける文書に関しては、真実性と可視性に留意する必要があります。文書が原文に忠実であること、そして必要なときにすぐ閲覧できる状態になっていることを確認しましょう。

原本の保管・処分をする

文書管理を電子化するときの注意点の3つ目は、原本の保管・処分をすることです。

文書の電子化をした後も、物理的な原本の保管が求められるケースがあります。法的文書は、電子化された文書では価値が下がる可能性があるためです。特に、契約書などの重要文書は、予期せぬ事態に備えて原本を保管することをおすすめします。

一方で、保管が不要な書類は適切な方法で処分しましょう。シュレッダーによる細断処理が一般的ですが、文書をバインダーごと溶解するなどの処分サービスも利用できます。情報漏洩を防ぐためには、信頼できる文書処理方法を選ぶことが重要です。

電子署名やタイムスタンプを併用する

文書管理を電子化するときの注意点の4つ目は、電子署名やタイムスタンプを併用することです。

作成した電子文書は、編集の履歴が不明瞭だと文書の信頼性が問われる可能性があります。そのため、電子署名を用いて文書の作成者を明示する、取引の編集や保存の履歴をタイムスタンプで記録するなどの方法を併用し、信頼性を高めることが大切です。

セキュリティ対策が必要になる

文書管理を電子化するときの注意点の5つ目は、セキュリティ対策が必要になることです。

文書を保存するときには、盗難や情報漏えいを防ぐためにセキュリティ対策を講じる必要があります。また、社内での文書の取り扱いにも注意が必要です。フォルダやファイルごとに適切なアクセス権を設定し、部署間での文書の共有方法を事前に決めておきましょう。

まとめ

まとめ

今回は、文書管理の電子化を実施する方法とメリット・注意点を解説しました。文書管理の電子化とは、紙の文書をデジタル形式に変換し、データベースやクラウドサービスで管理することを指します。文書管理を電子化すると、業務効率化や文書保管スペースの削減などのメリットがあります。

電子化した文書を保存するときには、データの形式や保存場所を決めて、整理してデータを格納することが大切です。また、文書管理システムを利用するときには、セキュリティ対策を講じましょう。

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5分でわかる2023年ビジネスコミュニケーション利用実態調査

 

この資料はビジネスコミュニケーションツールの導入状況はもちろん、ツール利用者の不満点や課題といった生の声を確認できることで、ツール選定時に注意すべきポイントを発見できる資料となっています。
これから導入を検討される方はもちろん、導入後、ツール定着率が上がらないなど運用にお困りの方も必見の資料です。

 

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この記事を書いた人
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