ナレッジをExcelで取り扱うメリット・デメリット・ポイントを一挙解説

ナレッジを取り扱うために役立つツールは多数存在しますが、多くの人々にとって使い慣れた表計算ソフトであるExcelでもナレッジを取り扱うことは可能です。
ただ、Excelでナレッジを取り扱う場合には、デメリットにも注意しなければなりません。
また、Excelで効率よくナレッジマネジメントを行うには、いくつかポイントがあります。
さらに、Excel以外にナレッジを取り扱えるツールも覚えておくとよいでしょう。
そこで今回は、ナレッジをExcelで取り扱うメリット・デメリットに加え、ナレッジマネジメントのポイントを解説します。
【目次】
ナレッジをExcelで取り扱うメリット
ビジネス上での「ナレッジ(knowledge)」は、従業員一人ひとりが仕事を通して得た「経験や知識」です。
商品の販売方法や顧客対応のノウハウなどがナレッジの代表例で、ナレッジを社内で共有すれば、業務効率化や新しいアイデアの創出などにつなげられるでしょう。
このナレッジを取り扱う手段はさまざまですが、代表的な表計算ソフトであるExcelもその1つです。
ここでは、ナレッジをExcelで取り扱うメリットについて、以下の3点を解説します。
- 低コスト
- 使いやすさ
- 便利な表計算・マクロ機能
1つずつ見ていきましょう。
低コスト
ナレッジをExcelで取り扱うメリットの1つ目は、低コストであることです。
Excelは、Microsoftユーザーであれば多くのオフィスで既に導入されているため、追加コストなしでナレッジに活用できます。
新規にツールやシステムなどを導入する場合と比較して、初期費用やランニングコストを抑えられる分、小規模な組織や気軽にナレッジ蓄積・共有を始めたい方には特におすすめです。
関連記事:ナレッジとは?ビジネスにおける関連用語やノウハウとの違いを徹底解説
使いやすさ
ナレッジをExcelで取り扱うメリットの2つ目は、使いやすさです。
Excelは代表的な表計算ソフトで、多くの従業員にとって普段から使用しているツールの1つです。そのため、ツールの操作方法に関する学習コストや抵抗感が少なく、スムーズにナレッジ共有を始められるでしょう。
また、Excelには機能が豊富で、従業員のニーズに合わせて柔軟なカスタマイズも可能です。
便利な表計算・マクロ機能
ナレッジをExcelで取り扱うメリットの3つ目は、便利な表計算・マクロ機能です。
Excelは表計算やマクロ機能が充実しています。これらの機能を使いこなせば、ナレッジを取り扱うときに便利です。
▼表計算機能とマクロ機能の説明
表計算機能 |
あらかじめ計算式をセルに入力しておくことで、数値データの計算・集計を自動で実行できます。 |
マクロ機能 |
繰り返し行う作業を学習させることで、大量のデータ入力や計算などを自動で行うため、作業時間を大幅に短縮できます。データ集計やグラフ作成などに有用です。 |
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ナレッジをExcelで取り扱うデメリット
ここでは、ナレッジをExcelで取り扱うデメリットについて、以下の3点を解説します。
- 管理の手間
- セキュリティ面の不安
- 検索のしにくさ
1つずつ見ていきましょう。
管理の手間
ナレッジをExcelで取り扱うデメリットの1つ目は、管理の手間です。
例えば、複数人同時にナレッジを取り扱っているExcelファイルを操作すると、バージョンが乱立する恐れがあります。また、権限管理も全体公開か非公開かしか選択できず、細やかな権限管理はできません。
さらに、複雑な関数を入力している場合や、大量データを処理するときにミスが発生すると、メンテナンスに大きな手間がかかります。
関連記事:Excelで文書管理する限界とは?問題点と解決策・使えるテンプレートを紹介
セキュリティ面の不安
ナレッジをExcelで取り扱うデメリットの2つ目は、セキュリティ面の不安です。
Excelでもパスワード設定が可能ですが、専門ツールを使えば簡単に解除されてしまうリスクがあります。また、ファイルのコピーやシートのコピーも容易で、情報漏れや改ざんのリスクも否定できません。
情報が改ざんされたことに気づかず、誤った情報に基づいて経営判断を行うと、誤った判断を行ってしまうこともあるでしょう。
検索のしにくさ
ナレッジをExcelで取り扱うデメリットの3つ目は、検索のしにくさです。
Excelにも検索機能が搭載されているものの、Excel上で入力されている文言で検索する分、必要な情報を見つけ出しにくいケースもあるでしょう。
例えば、漢字で入力された単語をひらがなで検索するなど、柔軟な検索には対応できません。また、検索結果が多すぎると、目的の情報にたどり着くまでに時間がかかることも課題です。
ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順
ここでは、ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順について、以下の4点を解説します。
- 管理項目の決定
- 一覧形式のフォーマット作成
- 共有できるよう設定
- データベースの運用
1つずつ見ていきましょう。
管理項目の決定
ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順の1つ目は、管理項目の決定です。
まずは、ナレッジに関する管理項目をあらかじめ決めておくことで、管理・共有する情報を構造化して、後に検索・活用しやすくなります。
検索項目は自由に決められ、後で追加・削除など変更することも可能です。
主な管理項目を以下に示しますので、参考にしてみてください。
- 番号
- 分類
- タイトル
- 概要
- 詳細
- 記入者
- 記入日
一覧形式のフォーマット作成
ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順の2つ目は、一覧形式のフォーマット作成です。
まずは、Excelシートの1行目に管理項目を入力します。
次に、一覧形式が見やすくなるように、全体範囲で「枠線」を入れましょう。
ここで、セルの色を「管理項目」だけ変更すると、より見やすくなります。
共有できるよう設定
ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順の3つ目は、共有できるよう設定することです。
Excelのデフォルト設定では、共有ファイル内にあるExcelファイルでも誰かがそのファイルを開いていると、その間他人は編集できません。
しかし、右上の「共有」ボタンをクリックすれば、リアルタイム同時編集が可能です。
データベースの運用
ナレッジ管理のためデータベースをExcelで作成する手順の4つ目は、データベースの運用です。
作成したデータベースを、社内フォルダなど社内の誰もが閲覧・編集できる場所に保存しましょう。そして、メンバー全員にナレッジを記入してもらうようアナウンスします。
その後、データベースに抜け漏れやデータの更新などがあったら、随時更新することが必要です。
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ナレッジマネジメントをExcelで行うポイント
ここでは、ナレッジマネジメントをExcelで行うポイントについて、以下の4点を解説します。
- テンプレートの活用
- フォーマットの活用
- 検索しやすい仕組み作り
- 継続的な効果測定
テンプレートの活用
ナレッジマネジメントをExcelで行うポイントの1つ目は、テンプレートの活用です。
インターネット上を探すと、ナレッジマネジメントに有用なExcelテンプレートが多数見つかります。Microsoftが無料提供するテンプレート以外にも、さまざまなExcelテンプレートが見つかるので探してみましょう。
これらのテンプレートを活用すれば、自分たちで一から作成するよりも簡単にナレッジマネジメントに役立つExcelフォーマットを作成できます。
フォーマットの活用
ナレッジマネジメントをExcelで行うポイントの2つ目は、フォーマットの活用です。
誰でも気軽にナレッジを記入・閲覧できるよう、Excelでナレッジマネジメント用フォーマットを作成しましょう。
複雑なフォーマットだと従業員が利用に抵抗を感じる恐れがあるため、直感的に操作できるシンプルで読みやすいフォーマットを作成することがおすすめです。
検索しやすい仕組み作り
ナレッジマネジメントをExcelで行うポイントの3つ目は、検索しやすい仕組み作りです。
Excelの検索機能を活用すれば、ナレッジのジャンルなどに基づきカテゴリー分けができるので、必要な情報をすばやく見つけられるでしょう。
ただし、カテゴリー分けが細かすぎるとかえって探しにくくなる可能性もあるため、適切な粒度で行うことがポイントです。
継続的な効果測定
ナレッジマネジメントをExcelで行うポイントの4つ目は、継続的な効果測定です。
ナレッジマネジメントがうまくいっているか確認するため、継続的な効果測定を行いましょう。定期的に従業員アンケートなどを行うことで、効果測定が可能です。
思うような効果が得られていない場合でも効果測定を行うと原因を突き止めやすいので、改善につなげられます。
ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類
ここでは、ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類について、以下の4点を解説します。
- チャットボット
- 社内Wiki
- ナレッジマネジメントツール
- 社内SNS
1つずつ見ていきましょう。
チャットボット
ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類の1つ目は、チャットボットです。
チャットボットに質問を入力すると、その質問に自動で回答してくれます。
FAQとその回答を用意しておけば、社内外の問合せについて自己解決を促進し、問合せ対応への時間を削減する効果も期待できるでしょう。導入コストが安く、手軽に始められる点もメリットです。
社内Wiki
ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類の2つ目は、社内Wikiです。
社内Wikiは、社内版「Wikipedia」として社内のナレッジを集中的に管理できるツールです。誰でも編集でき、常にチームで最新の情報を共有できます。
関連記事:社内Wikiを徹底解説!おすすめツール8選と注目の背景・メリット・デメリットを紹介
ナレッジマネジメントツール
ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類の3つ目は、ナレッジマネジメントツールです。
ナレッジマネジメントツールは、従業員同士でナレッジ共有するためのツールを意味します。
ツールの中にはファイル共有やコミュニケーション機能などさまざまな機能を有しており、幅広い業務に活用できるものもあります。
関連記事:ナレッジマネジメントに文書管理ツールは必須?おすすめツール9選も紹介
社内SNS
ナレッジの取り扱いに役立つExcel以外のツールの種類の4つ目は、社内SNSです。
社内SNSは、企業や部署内で使うSNSで、社内コミュニケーションを活発にします。手軽に従業員間の交流を深め、企業全体の結束力を高めるためにおすすめです。
また、従業員間で交流する過程で、ナレッジ共有もできるでしょう。
関連記事:社内SNSのおすすめ8選を紹介!概要から目的・メリット・デメリットまで徹底解説
まとめ
今回は、ナレッジをExcelで取り扱うメリット・デメリットに加え、ナレッジマネジメントのポイントを解説しました。
ナレッジをExcelで取り扱うことは、低コストで手軽に始められるメリットがある反面、管理の手間や検索のしにくさなどのデメリットにも留意しなければなりません。
ナレッジ管理のためのデータベースは、管理項目の決定からデータベースの運用まで、手順を踏んで行えばExcelでも作成可能です。
しかし、テンプレートの活用や検索しやすい仕組み作りなどのため、場合によってはExcel以外のツールを活用することも考えましょう。
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