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プロジェクト管理のコスト管理とは?メリット・課題・進め方も詳しく紹介
プロジェクト管理のコスト管理とは?メリット・課題・進め方も詳しく紹介
これからプロジェクトを遂行するプロジェクトマネージャー・メンバーはコスト管理をしっかりと意識することが重要です。プロジェクトを遂行する上で、見積りコストを超過しないためには、日々のコントロール・メンバーのマネジメントを行い、一人一人が高いコスト意識を持つ必要があります。

そこで今回は、プロジェクトマネジメントにおけるコスト管理について、メリットと課題、適切な進め方を解説します。

【目次】

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プロジェクト管理のコスト管理とは

プロジェクト管理のコスト管理とは

まずは、プロジェクト管理のコスト管理について解説します。

コスト管理とは、プロジェクトにおいて、あらかじめ必要なリソース(人件費や材料費など)を、設定した予算内でコストを見積り、超過しないように追跡・コントロールすることです。

予算内でプロジェクトを完了するために、コストを適切に管理していきます。コスト管理では、まずプロジェクトの目的・スコープ・スケジュールを考慮した上で、必要な見積作成・予算設定・予算配分をしていきます。見積作成において、過去の同様のプロジェクトの経験、ベンダーやサプライヤーからの見積もり、または専門家のアドバイスなどが含まれるでしょう。

プロジェクトが進むにつれ、実際発生する費用がどれくらいで、予算内に収まっているかをプロジェクトマネージャーやコスト担当者が監視し、プロジェクトを予算内で完遂するために必要な対応を行っていきます。プロジェクトが終了した後は、設定した予算と実工数・費用を比較し、コスト管理が適切だったかを分析・評価していきます。

この結果に基づいて、次のプロジェクトに対する見積方法などの改善が行われることもあるでしょう。コスト管理は、プロジェクトが成功するために重要な要素であり、予算を超過することなく適切なリソースを確保し、遅延が発生しないように監視することが求められます。

関連記事:予実管理がプロジェクト管理で重要な理由・進め方・成功ポイントを徹底解説!

プロジェクト管理でコスト管理がもたらす5つのメリット

プロジェクト管理でコスト管理がもたらす5つのメリット

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットとして、以下5点を解説します。

  • コスト超過予防
  • 制約条件の理解
  • 中断を防ぐ
  • スコープクリープを防ぐ
  • 他プロジェクトへの横展開

1つずつ見ていきましょう。

コスト超過予防

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットの1つ目は、コスト超過予防です。

プロジェクトを進めていく上で、予期しない出費やコストが発生する可能性があります。これは作業の進行状況が予測外であることや、顧客から想定外の要求が発生して工程を見直すこと、素材の価格が上昇することなどが原因として挙げられます。コストが予算を超過すると、プロジェクトの粗利やROI(投資対効果)が減少し、さらにはプロジェクト自体が失敗してしまうかもしれません。

そのため、コスト管理を適切に行い、予算内でプロジェクトを進めるための情報収集と、実際かかるコストの定期的な把握、それに合わせた予算調整などが重要になります。コスト管理を行えば、コスト超過を未然に防ぐことも可能です。

制約条件の理解

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットの2つ目は、制約条件の理解です。

コストは、3つの制約条件(コスト・スコープ・時間)の1つとされています。コストが上がれば、プロジェクトのスコープや時間にも影響を与えてしまい、プロジェクト遅延につながる恐れもあります。そのため、プロジェクトマネージャーやメンバーが、「コスト」という制約条件をしっかりと理解することで、予算内でプロジェクトを遂行するための戦略策定や、期限までに完了するための作業計画、制約条件に基づく優先順位などの設定が可能です。

中断を防ぐ

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットの3つ目は、中断を防ぐことです。

コスト管理を適切に行うことで、コストに起因するプロジェクトの中断を予防できる可能性が高まります。プロジェクトマネージャーやメンバーは、プロジェクトで発生するコストに関して、プロジェクトが予算内で進行しているかどうか、都度監視・判断していきます。プロジェクトが進行するにつれて、予想外のコスト発生・予算超過する可能性も出てくるでしょう。その重大さによってはプロジェクトが中断されるかもしれません。

コストを管理すれば、予想外のコストなど、コストに関する問題発生時を早期に発見でき、予算内に抑えるための新たな戦略策定も可能です。

スコープクリープを防ぐ

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットの4つ目は、スコープクリープを防ぐことです。

コスト管理をしながらプロジェクトを遂行することで、スコープクリープが発生する原因を取り除くことも可能でしょう。スコープクリープとは、プロジェクトのスコープが予定よりも拡大することです。スコープクリープが発生すると、プロジェクトの進捗が遅れたり、予算超過やリソース不足などの問題が生じたりすることがあります。

プロジェクト進行中に、メンバーや関係者からの変更要求が発生することもあるでしょう。内容によっては、プロジェクトのスコープへの変更対応が必要となり、予算超過やスコープクリープを引き起こす可能性もあります。コスト管理を適切に行っていれば、変更要求に対しても適切に対応できます。プロジェクトの予算内で、変更を実施できる可能性も高まります。

コスト管理では、プロジェクト開始前からプロジェクトマネージャーやメンバーが予算を意識することで、プロジェクト進行中も予算が超過しないように調整・軌道修正を行い、スコープクリープを防ぐことも可能です。

他プロジェクトへの横展開

プロジェクト管理でコスト管理がもたらすメリットの5つ目は、他プロジェクトへの横展開です。

プロジェクト管理において、コスト管理の成功事例を作成することは、他のプロジェクトへ横展開するためにも有用な手段です。なぜなら成功したプロセスは、同様のプロジェクトにも適用可能と考えられ、コスト削減などの効果を期待できるからです。

たとえば、同様のコスト分析手法を採用すれば、分析結果を比較しやすくなり、プロジェクトの管理者や利害関係者に対して、理解しやすいレポートを提供できるでしょう。

また、予算管理手法を他プロジェクトでも採用することで、不必要なコストの削減・予算超過の防止も期待できます。複数プロジェクトでコスト管理の成功事例を作れば、コスト分析や予算管理において、他プロジェクトに横展開できる可能性もあります。

関連記事:プロジェクト管理のメリット・デメリット・実施のポイントを徹底解説!

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プロジェクト管理におけるコスト管理の2つの課題

プロジェクト管理におけるコスト管理の2つの課題

プロジェクト管理におけるコスト管理の課題ついて、以下の2点を解説します。

  • 少ない予算
  • 見積の正確性

1つずつ見ていきましょう。

少ない予算

プロジェクト管理におけるコスト管理の課題の1つ目は、少ない予算です。

プロジェクト管理において、プロジェクトの予算が十分でない場合、以下の問題が発生する可能性があります。

  • 人員不足
  • リソース不足
  • スケジュール遅延
  • スコープクリープ
  • ステークホルダーの期待を満たせない

プロジェクトの規模よりも人員やリソースが少なくなくなり、スケジュールが遅延する可能性も考えられます。そのため、コスト管理において、そもそもプロジェクトの予算が適切に設定されているかを確認の上、必要な人員やリソースを見直すことが大切です。

見積の正確性

プロジェクト管理におけるコスト管理の課題の2つ目は、見積の正確性です。

プロジェクト管理において、見積段階で金額が正確でないと、その後のプロジェクトに大きな支障が生じる可能性が高いです。たとえば、見積が過少だった場合、実際のプロジェクトに必要な費用が、見積時よりも高くなってしまい、粗利減少・スケジュール遅延・品質低下・スコープクリープ発生などにも繋がってくるでしょう。

見積時の金額が正確でないと、その後のプロジェクトに大きな支障が生じる可能性があるため、コスト管理の成功事例などをもとにした、正確な見積が重要です。

関連記事:【2023年版】プロジェクト管理ツールおすすめ16選を徹底比較!5つの確認ポイントも紹介

プロジェクト管理のコスト管理の進め方

プロジェクト管理のコスト管理の進め方

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方について、以下の6点を解説します。

  1. コスト・マネジメント計画
  2. リソース確保
  3. コスト見積
  4. 予算設定
  5. 始動
  6. コストコントロール

1つずつ見ていきましょう。

コスト・マネジメント計画

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の1つ目は、コスト・マネジメント計画です。

コスト・マネジメント計画では、プロジェクトの目的と範囲を明確に定義した上で、プロジェクトに必要なコスト見積・資金調達計画・コスト制御の方法などを決定します。その上で、ボトムアップ見積・トップダウン見積・比較見積など、見積の方針を固めていきます。

さらに、資金調達計画として、必要な資金の調達方法・資金調達のタイミング・資金の使途などの定義も必要です。コスト・マネジメント計画で、スムーズなコスト管理を行うため、プロジェクトマネージャーや、コスト管理担当者などと役割・責任を細かく決めていきます。

リソース確保

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の2つ目は、リソース確保です。

プロジェクトを完成させるためにリソースを確保することで、プロジェクト全体に費やす費用・期間・労力がどれくらいか把握できます。リソースとは、扱うツール・費用・時間・設備・プロジェクトメンバーなどのことを指します。これらを確保することで、プロジェクトのスコープやスケジュールを遵守しながら、予算内でプロジェクトを完了できる可能性も高まります。

プロジェクトに必要なリソースをしっかりと確保することで、プロジェクトに費やす時間、労力・費用を正確に把握できます。

コスト見積

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の3つ目は、コスト見積です。

リソースを確保した後、実際にどれくらいのコストがかかるのか、各所に対して見積をとりましょう。社内の自部門や別部門に対して、どれくらいの期間、どの人材がどれくらいプロジェクトに携わる必要があるかなどを伝え、人件費やツールなど必要なコストの見積依頼をします。

社内メンバーで足りないことがわかれば、外部への業務委託も必要となるでしょう。予算を設定するためにも、必要な箇所に早めに見積を取ることが大切です。

予算設定

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の4つ目は、予算設定です。

コスト管理において、プロジェクトのフェーズ単位で適切な予算配分を行うことが重要です。プロジェクトには、さまざまなフェーズがあり、それぞれ必要な資材・リソースの種類・量が異なります。予算をフェーズ単位で配分することで、各フェーズ単位で必要な資材やリソースがわかり、管理しやすくなるでしょう。

プロジェクトマネージャーやコスト管理担当者は、必要な資材やリソースを元に、メンバーと共に詳細な計画を立てて、予算を配分していきましょう。

始動

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の5つ目は、始動です。

プロジェクト立ち上げ時には、プロジェクトメンバー全員でキックオフを開催します。キックオフでは、プロジェクトの目的・スコープ・スケジュールやマイルストーン・コスト管理に関する情報を共有していきます。コスト管理について資料などで共有することで、メンバー全員がコストに対する共通の認識を持てます。

そのため、プロジェクトを遂行する上で、予算配分が変更になったとしても、意思決定がよりスムーズに進み、プロジェクトの成功確率を高められるでしょう。

プロジェクトキックオフミーティングにおけるコスト管理の共有は、プロジェクトの進行において非常に重要です。

コストコントロール

プロジェクト管理におけるコスト管理の進め方の6つ目は、コストコントロールです。

プロジェクト開始後、設定した予算コストから超過していないかなど、プロジェクトのフェーズ単位で経過を監視し、必要に応じてコストコントロールしていきます。コストコントロールでは、まずプロジェクト開始時に定められた予算と、実際の支出とを比較し、コスト面での進捗状況を確認します。このときに、コスト見直しが必要と判断した場合には、予算内での再配分をしていきます。

もしくはプロジェクトのスコープやスケジュールの見直しまで必要になるなど、プロジェクト全体のコストを調整することも考えられます。

コストコントロールは、利害関係者であるステークホルダーとの適切なコミュニケーションも欠かせません。プロジェクトの進捗状況や予算配分の見直しが発生したとき、関係者に適切に共有することで、プロジェクト全体の進行もスムーズに進められるでしょう。

関連記事:プロジェクト管理ツールの導入メリット・注意点・ステップを徹底解説

まとめ

まとめ

今回は、プロジェクト管理におけるコスト管理について、メリット・課題・進め方を解説しました。プロジェクト管理においてコスト管理をしっかりと行うことで、予算超過時に迅速な対応ができ、スコープやスケジュールへの影響も最小に抑えられるでしょう。

プロジェクトマネージャーやメンバー全体で適切なコスト配分がなされているか、コストが超過する可能性はあるかなど進捗を確認しながら、プロジェクトを進めることが大切です。

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