そこで今回は、ビジネスチャットの基本概要・機能・効果・課題・導入時に押さえたいポイントを解説します。
【目次】
業務効率化に欠かせないビジネスチャットとは?
ビジネスチャットとは、テキスト(文字)での迅速なコミュニケーションが可能なビジネスでの活用に特化したツールです。社内だけでなく、社外の利害関係者とのコミュニケーションにも活用ができ、簡単なテキストの送受信で話題が完結し、通知を受け取ることができるため円滑でスピーディーなやりとりが可能で業務全体の生産性が向上します。ビジネスチャットツールには、チャット機能の他に、通話機能・Web会議機能・ファイル管理機能があり、用途や状況に応じて柔軟なコミュニケーション方法を選択できることも魅力の1つです。
ビジネスチャットには、自社にサーバーを置いてデータを保存する「オンプレミス型」と、クラウド上でデータを共有する「クラウド型」があります。オンプレミス型では、自社の仕様に応じてカスタマイズを簡単に行えますが、プログラムを理解できる専任の担当を必要とします。クラウド型では、サービスを提供する企業と契約すればすぐに利用できるという手軽さがありますが、データの保存場所がクラウド上で他社と共有するためセキュリティリスクが高くなります。ビジネス用途に特化したツールには、セキュリティ面が強化されていて暗号化技術が採用され、機密情報の取り扱いも安全に行える製品もあります。
ビジネスチャットは、多くのサービスが提供されているため、自社の導入目的に合った特長のツールを選ぶ必要があります。
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ビジネスチャットで業務効率化を可能にする5つの機能
ビジネスチャットにはさまざまな機能が搭載されています。ここでは、ビジネスチャットで業務効率化を可能にする主要な機能を、以下の5点から解説します。
- 通話機能
- チャット機能
- Web会議機能
- ファイル管理機能
- 他システムとの連携機能
1つずつ見ていきましょう。
通話機能
ビジネスチャットで業務効率化を可能にする機能の1つ目は、通話機能です。
通話機能では、チャット可能な相手と直接話すことができます。相手は1人だけでなくグループでの音声通話も可能です。簡単な打ち合わせなどを気軽に行うことができます。
チャット機能
ビジネスチャットで業務効率化を可能にする機能の2つ目は、チャット機能です。
チャット機能を使えば、テキストでのリアルタイムなコミュニケーションが可能です。従来からのコミュニケーション手段であるメールと違い、冒頭のあいさつ文が不要となる場合が多いため、気軽なコミュニケーションでスムーズに話を進めることができます。また、プロジェクト単位や部署といった組織単位や社内外のメンバーが参加するグループチャットを作成したりできるため、情報を管理しやすくなります。
Web会議機能
ビジネスチャットで業務効率化を可能にする機能の3つ目は、Web会議機能です。
Web会議機能を使うと、遠隔であっても対面でのコミュニケーションと同じように複数人で顔を合わせながら話すことができます。打ち合わせや会議など相手の顔が見えないと、感情が伝わらず不安になることがあります。Web会議機能では、相手の表情を確認しながら話を進められるため、直接会って会議をしているときと同じような環境を構築できます。
ファイル管理機能
ビジネスチャットで業務効率化を可能にする機能の4つ目は、ファイル管理機能です。
ビジネスチャットでは、テキストや音声通話やビデオ通話での会話をする機能以外にも、ファイルを共有し管理できます。デスクトップに保存している資料も、ドラッグアンドドロップで簡単にファイル共有できます。テレワークやリモートワークなどでファイルを共有したい場合、ツール上に保存すれば、いつでもどこからでもアクセス可能です。
他システムとの連携機能
ビジネスチャットで業務効率化を可能にする機能の5つ目は、他システムとの連携機能です。
多くのビジネスチャットは、既存のサービス(プロジェクト管理ツール・タスク管理ツール、メール、CRMなど)と連携できるツールがあります。たとえば、「Slack」を導入していれば「Google」との連携が可能です。すでに導入しているサービスをより拡張して活用するのであれば、他システムとの連携を視野に入れて最適なツールを選択することがおすすめです。
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ビジネスチャットによる効率化の効果
さまざまな機能が搭載されていることで、便利に利用できるビジネスチャットは、さまざまな効果が期待できます。ここでは、業務効率化を目的としたビジネスチャットの効果を、以下の3点から解説します。
- 情報の一元管理が可能
- いつでもどこからでもアクセス可能
- スピーディなやりとりが可能
1つずつ見ていきましょう。
情報の一元管理が可能
業務効率化を目的としたビジネスチャットの効果の1つ目は、情報の一元管理が可能であることです。
ビジネスチャットでは、会話だけでなくファイルの共有も可能です。さまざまなプロジェクトに参加している場合であっても、Word・Excel・PowerPointの他、PDFファイルなど、すべてのファイルをツールで整理して一元管理ができるため、便利に活用できます。また、メッセージの送信もファイルの共有履歴も全ての情報が履歴として残るため、過去の履歴情報がまとまって一元管理されます。
いつでもどこからでもアクセス可能
業務効率化を目的としたビジネスチャットの効果の2つ目は、いつでもどこからでもアクセス可能であることです。
ビジネスチャットをクラウド型で導入している企業は少なくありません。そのため、インターネット環境があれば、オフィス以外の外部からでもツールへのアクセスが可能です。また、パソコンだけではなくスマートフォンのアプリでも使えるツールを利用すれば、営業の方などはより使い勝手が良くなるでしょう。
スピーディなやりとりが可能
業務効率化を目的としたビジネスチャットの効果の3つ目は、スピーディなやりとりが可能であることです。
ビジネスチャットは簡潔な文章で、コミュニケーションを進められます。メールなどの文頭に用いられる「お疲れ様です。〇〇です。」「お世話になっております。△△株式会社の〇〇です。」などのあらたまった挨拶を必要としません。そのため、やりとりにスピード感が出て、必要な回答を得られるまでの時間を短縮することができます。
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業務効率化を進めるビジネスチャットの課題
便利な活用が魅力的なビジネスチャットですが、効果がある反面課題もあります。ここでは、業務効率化を目的としたビジネスチャットの課題を、以下の3点から解説します。
- 時間を問わずコミュニケーションが発生する
- 雑談が発生しやすい
- セキュリティに不安がある
1つずつ見ていきましょう。
時間を問わずコミュニケーションが発生する
業務効率化を目的としたビジネスチャットの課題の1つ目は、時間を問わずコミュニケーションが発生することです。
ビジネスチャットは、インターネット環境があれば、いつでもどこからでもアクセスできるため、気軽にやり取りができるだけに「忘れないうちに」と、業務時間外であっても連絡をしてしまうことが懸念されます。とくに、取り引き先の顧客からの連絡などは、少しでも早く返信しようとしがちです。ビジネスチャットの活用では、仕事とプライベートの境界が難しくなりストレスに繋がる傾向があります。
雑談が発生しやすい
業務効率化を目的としたビジネスチャットの課題の2つ目は、雑談が発生しやすいことです。
ビジネスチャットでは、かしこまった表現を使わずコミュニケーションができるため、コミュニケーションの活性化が期待できます。一方で、従業員同士の距離が近づきすぎると、雑談も多くなる傾向があります。雑談には業務に関係のないプライベートなことから、従業員にしかわからない社内のことまでさまざまですが、行き過ぎると人間関係の悪化やトラブルにつながる可能性があるため、節度のあるコミュニケーションを行うことが重要です。
セキュリティに不安がある
業務効率化を目的としたビジネスチャットの課題の3つ目は、セキュリティに不安があることです。
ビジネスチャットの多くはクラウド型であるため、データの保存場所を他社と共有することになります。そのため、情報漏えい・なりすましによる不正アクセスなどの心配があります。ビジネスチャットのサービスを提供する企業によって、セキュリティ基準も違います。そのため、自社のセキュリティ基準に合うサービスを提供しているツールを選ぶ必要があります。
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ビジネスチャットの導入時に押さえたい効率化のポイント
ビジネスチャットの効果・課題を踏まえたうえで、業務効率化を目的としたビジネスチャットの導入時に押さえたいポイントを、以下の3点から解説します。
- 誰でも使いこなせるツールを選ぶ
- メールとビジネスチャットの使い分けをする
- ルールを設定する
1つずつ見ていきましょう。
誰でも使いこなせるツールを選ぶ
業務効率化を目的としたビジネスチャットの導入時に押さえたいポイントの1つ目は、社員の誰でも使いこなせるツールを選ぶことです。
近年「チャット」は若い世代で活用される傾向が高く、使いこなせるかどうかを心配する必要は少ないといえます。ただし、比較的年齢層の高い世代においては、ビジネスのコミュニケーションは「電話」「メール」が主流であったため、チャットでのコミュニケーションを難しく感じる可能性があります。ビジネスチャットには、シンプルな機能で簡単に「直感的」な操作が可能なツールもあるため、どの世代においても全員が抵抗なく使いこなせる操作性のツールを選定することがオススメです。
メールとビジネスチャットの使い分けをする
業務効率化を目的としたビジネスチャットの導入時に押さえたいポイントの2つ目は、メールとビジネスチャットの使い分けをすることです。
ビジネスチャットとメールは「テキストによるコミュニケーション」という点では同じですが、ビジネスチャットは便利に使える一方で「大事な話題が流れてしまう」、メールは「コミュニケーションの完結までに時間がかかる」などのデメリットもあります。また、たとえば「決定事項はメールにまとめて、関係者に共有する」などのルールがあれば、ビジネスチャットとメールの役割を明確にして使い分けることができるでしょう。
ルールを設定する
業務効率化を目的としたビジネスチャットの導入時に押さえたいポイントの3つ目は、ルールを設定することです。
ビジネスチャットを導入する前に、あらかじめ使い方のルールを策定しましょう。具体的には、「チームのチャットルームを設定するときは、上司の許可が必要」「雑談は雑談専用のルームで行う」「業務時間外はメッセージの送受信禁止」などです。適切なルールを設定していれば、自社の目的を最大限に活かした活用が可能になるといえます。
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まとめ
今回は、ビジネスチャットの基本概要・機能・効果・課題・導入時に押さえたいポイントを解説しました。ビジネスチャットは、IT化・DX推進が加速するこれからの時代に欠かせないツールの1つです。ビジネスの高速化に対応するためにも、導入の検討をすることがおすすめです。
しかし、ビジネスチャットは、自社のビジネスにさまざまな効果をもたらす一方で、仕事とプライベートの境界が失われる可能性が懸念されます。問題の発生を防ぐためにも、ビジネスチャットを運用していくうえで、ルールの設定は欠かせないといえるでしょう。自社に必要なルールの策定を行い、そのうえで便利な運用をしていきましょう。
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