そこで今回は、ビジネスチャットのオンプレミス型とクラウド型の違い・メリット・デメリット・最適なビジネスチャットを選ぶときのポイントを解説します。
【目次】
ビジネスチャットのオンプレミス型とクラウド型とはなにか?
はじめに、ビジネスチャットのオンプレミス型とクラウド型の特徴と違いを見ていきましょう。
オンプレミス型
ビジネスチャットのオンプレミス型とは、自社にサーバーを構築して運用を行うためのビジネスチャットです。
社内にサーバーが構築されるため、自社で独占的に使用できます。そのためカスタマイズしやすく、セキュアな環境での運用が可能です。導入までに時間を要しますが、セキュリティ面での安心感・カスタマイズ性の高さを重視し、さらに費用面で余裕がある場合におすすめです。
クラウド型
ビジネスチャットのクラウド型は、インターネットを経由して利用できるビジネスチャットです。
ネットワーク環境を整えて、PC・タブレット・スマートフォンなどの端末があれば、いつでもどこからでも利用可能です。契約をすればすぐ始められるという手軽さがある一方で、運用する環境は、クラウド型のビジネスチャットを提供する企業に依存することになります。クラウド型のビジネスチャットを利用している他社とクラウド上の場所を共有することから、自社独自のセキュリティ対策を行うことはできません。
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ビジネスチャットのオンプレミス型・クラウド型のメリット
オンプレミス型・クラウド型にはそれぞれ、メリット・デメリットがあり、自社に適切な選択をするためにも事前に把握しておくことが重要です。
ここでは、ビジネスチャットのオンプレミス型・クラウド型のメリットを見ていきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型のビジネスチャットにおけるメリットとして、カスタマイズ性が高いことが挙げられます。
基本的に自社独自の運用となるため、細かい要望に対しても、柔軟にカスタマイズ可能です。また、必要な機能の追加・不要な機能の削除を行い、よりシンプルに使いやすいシステムを構築できます。
また、オンプレミス型のビジネスチャットは、自社のサーバーでの構築になるため、自社のセキュリティ基準に沿った運用が可能です。そのため、自社のセキュリティ基準でデータを守ることができ、ハッキングなどのリスクを低減できます。
クラウド型
クラウド型のビジネスチャットにおけるメリットとして、短期間で導入ができるとともに、サーバーの保守などが不要なため少ない負担で運用できることが挙げられます。
クラウド型のビジネスチャットは、社内での環境構築が必要ないため、契約をすればすぐに利用開始できます。また、オンプレミス型よりも導入時のコストを削減することも可能です。そして専任の保守担当者を置かず、サービスを提供する企業に任せられるため、無駄のない運用が可能です。
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ビジネスチャットのオンプレミス型・クラウド型のデメリット
ビジネスチャットのオンプレミス型・クラウド型には、それぞれのメリットがあると同時にどちらにも、デメリットがあります。
ここでは、ビジネスチャットのオンプレミス型・クラウド型のデメリットを見ていきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型のビジネスチャットにおけるデメリットとして、導入・開発に時間がかかるうえに、導入コストが高くつくことが挙げられます。
オンプレミス型は自社の専用サーバーに構築するため、そのための開発が必要になります。開発は専門知識のある人材を確保してプロジェクトを組み、プロジェクトの完了まで継続して工数を必要とします。そのため多くの人件費をかけることになります。また、自社で専用サーバーを用意・設定するため費用がかかります。
開発に数か月かかる場合も少なくないため、導入を急ぐ場合には向いていないといえます。
クラウド型
クラウド型のビジネスチャットにおけるデメリットとして、セキュリティに不安が残ること・継続してコストが発生することが挙げられます。
クラウド型は、自社以外の企業とデータの蓄積場所を共有するため、自社の独自仕様に変更することができません。そのためあらかじめ自社のセキュリティ基準以上か・残されたリスクの受容は可能かを検討する必要があります。またオンプレミス型とは違い、サービスを利用するにあたって継続的に月額の料金が発生します。利用者数によって料金が変わるため、従業員が大幅に増える見込みがあれば、オンプレミス型の導入もしっかり検討することがおすすめです。
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オンプレミス型・クラウド型の2種類から最適なビジネスチャットを選ぶポイント
次に、最適なビジネスチャットを選ぶポイントを、以下の3点から解説します。
- 自社の導入目的に合っている
- 必要な機能が搭載されている
- セキュリティ基準を満たしている
1つずつ見ていきましょう。
自社の導入目的に合っている
最適なビジネスチャットを選ぶポイントの1つ目は、自社の導入目的に合っていることです。
導入の前に「何のために導入するのか」を明確にする必要があります。社内の一部のプロジェクトのための導入であれば、スモールスタートが可能なクラウド型がおすすめです。また、社内全体のコミュニケーションに活用することが目的であれば、利用人数・専任者の配属・コスト面などを考慮して、オンプレミス型・クラウド型のどちらがよいかを検討すると良いでしょう。
目的を定めたうえでオンプレミス型・クラウド型を選ぶことをおすすめします。
必要な機能が搭載されている
最適なビジネスチャットを選ぶポイントの2つ目は、必要な機能が搭載されていることです。
クラウド型のビジネスチャットは、多彩な機能を搭載しているサービスもたくさんあります。自社が必要とする機能が搭載されているか、しっかり確認しましょう。多機能を魅力にクラウド型を選んでしまうと、使わない可能性がある豊富な機能に対して、継続したコストを支払う必要があります。オンプレミス型であれば、自社でカスタマイズが可能なため、必要な機能を必要なだけ搭載でき、さらにあとから機能を追加することも可能です。
自社の導入目的を達成するための機能があることを確かめてから、導入を検討することがおすすめです。
セキュリティ基準を満たしている
最適なビジネスチャットを選ぶポイントの3つ目は、セキュリティ基準を満たしていることです。
ビジネスチャットの活用において、社内においても取り扱う情報によってセキュリティレベルが変わる場合があります。そのため、高いセキュリティが要求される部署においても活用できるビジネスチャットを選ぶ必要があります。オンプレミス型であれば、自社の基準を満たす高度なセキュリティで情報を守ることができます。
また、国際的なセキュリティ基準であるISO27001(ISMS)などの取得をしているかどうかを確認することも検討要素の1つになります。
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まとめ
今回は、ビジネスチャットのオンプレミス型とクラウド型の違い・メリット・デメリット・最適なビジネスチャットを選ぶときのポイントを解説しました。オンプレミス型・クラウド型のどちらを導入するかの検討は、自社の導入目的を定めることからはじまります。どちらにもメリット・デメリットがあり、デメリットをある程度、許容することが必要になります。
ビジネスチャットが果たす代表的な役割は、「円滑なコミュニケーション」です。実際に使用する従業員の使い勝手なども考慮して、オンプレミス型・クラウド型のどちらにするかを検討しましょう。
ビジネスチャットは、便利かつコミュニケーションの活性化につながるため、導入がおすすめです。自社の導入目的を明確にして、目的に合って従業員の使いやすさを考慮したツールの導入を検討しましょう。
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