そこで今回は、文書管理でセキュリティ対策が必要な理由、起こりうるセキュリティトラブル、セキュリティ対策について解説します。
【目次】
文書管理でセキュリティ対策が必要な理由
ここでは、文書管理でセキュリティ対策が必要な理由について、以下の2点を解説します。
- 情報漏えいのリスクを低減するため
- 法規制を遵守するため
1つずつ見ていきましょう。
情報漏えいのリスクを低減するため
文書管理でセキュリティ対策が必要な理由の1つ目は、情報漏えいのリスクを低減するためです。
万が一、機密情報の漏えいが起こり事件に発展した場合は、取引先の信頼を失う恐れがあります。トラブルの影響で顧客が離れてしまえば、売上は減少し、経営に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。そして、一度事件を起こしてしまうと、過去に情報漏えいのトラブルがあった企業としてブランドイメージが損なわれ、悪影響を与えてしまいます。
法規制を遵守するため
文書管理でセキュリティ対策が必要な理由の2つ目は、法規制を遵守するためです。
情報漏えいの内容によっては、法律に基づく罰金や罰則が課されることがあります。さらに、情報漏えいが顧客に損害をもたらしてしまった場合、高額な賠償金を支払わなければならないことも考えられます。
文書管理で起こりうる5つのセキュリティトラブル
ここでは、文書管理で起こりうるセキュリティトラブルについて、以下の5点を解説します。
- 不正アクセス
- マルウェア感染
- 誤操作による人為ミス
- 情報が入ったデバイスの紛失・盗難
- 従業員による犯行
1つずつ見ていきましょう。
不正アクセス
文書管理で起こりうるセキュリティトラブルの1つ目は、不正アクセスです。
不正アクセスとは、アクセスを許されていないユーザーが、何らかの手段を使ってシステムへのアクセスを試みる行為のことを指します。例えば、社内の従業員だけがアクセス権を持つサーバーに、悪意ある外部の人物が不正に侵入し、情報を盗むトラブルなどが考えられます。
マルウェア感染
文書管理で起こりうるセキュリティトラブルの2つ目は、マルウェア感染です。
マルウェアは悪意のあるソフトウェアの総称で、ウイルス・ランサムウェア・スパイウェアなどがあります。マルウェアの感染経路は、感染したWebサイトへの訪問、標的型攻撃メールに添付されたファイルの開封などがあります。
ランサムウェアは、機密情報を暗号化し、解除するために身代金を要求するマルウェアです。1人の従業員がマルウェアに感染してしまうと、保存しているサーバー全体に広がる恐れがあるため、企業として総力を挙げて対策を講じる必要があります。
誤操作による人為ミス
文書管理で起こりうるセキュリティトラブルの3つ目は、誤操作による人為ミスです。
メールの誤送信やファイル共有の間違いが、社外にも影響を与えるリスクがあります。例えば、誤って違う宛先にメールを送信してしまう、不適切なファイルを添付してしまうなどが考えられます。
また、プライバシー保護のためにBCCに入力すべきメールアドレスを、TOやCCに入れると、受信者全員にメールアドレスが知られてしまいます。このような操作ミスは、情報漏えいのリスクと言えます。
情報が入ったデバイスの紛失・盗難
文書管理で起こりうるセキュリティトラブルの4つ目は、情報が入ったデバイスの紛失・盗難です。
PCや記録媒体、書類の紛失や置き忘れなどが原因で、情報漏えいが起こることがあります。例えば、USBメモリやSDカードをどこかに落としてしまう、外出先で顧客情報を記録したノートPCが盗難に遭うなどが考えられます。
また、重要な書類が入った封筒を置き忘れてしまうことも、情報漏えいにつながる可能性があります。
従業員による犯行
文書管理で起こりうるセキュリティトラブルの5つ目は、従業員による犯行です。
例えば、従業員がアクセス権を悪用して重要な情報を不正に取得し、開示や破壊してしまう行為などが挙げられます。企業秘密や顧客データを競合他社に漏らしてしまう、恨みや不満から意図的に改ざんしてしまうなども、情報漏えいと言えます。
文書管理における4つのセキュリティ対策
ここでは、文書管理におけるセキュリティ対策について、以下の4点を解説します。
- 認証システムを導入する
- 従業員向けにセキュリティ教育を行う
- 文書管理のルールやマニュアルを整備する
- クラウド型の文書管理システムを利用する
1つずつ見ていきましょう。
認証システムを導入する
文書管理におけるセキュリティ対策の1つ目は、認証システムを導入することです。
認証システムを使うと、ユーザーがアクセス権限を持っているかをシステムが判断し、それに基づいてアクセスを許可または拒否できます。
ユーザーのアクセス時には、IDとパスワードやICチップ付きの従業員証など、自分が本人であることを証明する手段の提出が求められます。その情報が、サーバーに保存された個人を識別するための情報と一致しなければ、ユーザーはアクセスできません。
認証システムを活用することで、権限のないユーザーによる不正アクセスのリスクを低減することが可能です。
従業員向けにセキュリティ教育を行う
文書管理におけるセキュリティ対策の2つ目は、従業員向けにセキュリティ教育を行うことです。
例えば、過去にUSBメモリの紛失から情報漏えいが発生した事例を伝えることで、同様のミスを未然に防ぐ意識が育まれます。他にも、メールを通じたフィッシング攻撃の見分け方を教えることも効果的です。
また、機密文書の正しい廃棄方法を伝えていくことで、情報が外部に漏れるリスクを低減できます。従業員向けのセキュリティ教育を定期的に行い、日々の業務で安全な行動をとるための基盤を築いていくことが大切です。
文書管理のルールやマニュアルを整備する
文書管理におけるセキュリティ対策の3つ目は、文書管理のルールやマニュアルを整備することです。
内部からの情報漏えいを防ぐため、重要情報が記録された媒体の持ち出しには厳格なルールを定める必要があります。例えば、持ち出しには事前承認を申請する、記録媒体にはパスワード保護を施すなどのマニュアルを設けます。
クラウド型の文書管理システムを利用する
文書管理におけるセキュリティ対策の4つ目は、クラウド型の文書管理システムを利用することです。
サーバーをクラウドに移行することで、データは堅牢なセキュリティ環境下にあるデータセンターで保護されるようになります。
一方、自社のオンプレミス環境でセキュリティを管理しようとすると、高度な知識を持った人材が不可欠です。専門家が社内にいない場合、システム障害やサイバー攻撃が起こったときに迅速な対応ができず、データの流出や損失のリスクが高まります。
そのため、適切な人材が社内にいない場合は、クラウドを利用した方が高いセキュリティを確保できるでしょう。
まとめ
今回は、文書管理でセキュリティ対策が必要な理由、起こりうるセキュリティトラブル、セキュリティ対策を解説しました。
文書管理のセキュリティ強化は、企業にとって避けて通れない課題と言えます。不正アクセスや内部犯行による情報漏えい、物理的な文書の紛失、そしてマルウェアによる感染などに対して、それぞれ異なるセキュリティ対策を講じる必要があります。手段としては、認証システムの導入や従業員向けのセキュリティ教育、文書管理マニュアルの整備をしていくことが有効です。
また、オンプレミス型で堅牢なセキュリティ環境を構築できないときには、クラウド型の文書管理システムの導入をおすすめします。本記事を参考に、自社にあった形でセキュリティ対策を講じてみてはいかがでしょうか。
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