アンケート結果から、今まで見逃されてきた知見を発見できることもあるかもしれません。
社内アンケートを従業員に行うための方法は多数存在しますが、その1つが社内SNSです。
社内SNSはフランクなコミュニケーションに向いているツールですが、アンケートを投稿することも可能です。
ただ、より有意義なアンケートを行うには、アンケートを行うプロセスやポイントも把握する必要があるでしょう。
そこで今回は、社内SNSでアンケートを行う目的やプロセス、ポイントを解説します。
【目次】
社内SNSでアンケートを行う目的
ここでは、社内SNSでアンケートを行う目的を以下の3点から解説します。
- 人事制度・福利厚生に関する意見聴取
- 社内コミュニケーション促進
- 経営方針の浸透度確認
1つずつ見ていきましょう。
人事制度・福利厚生に関する意見聴取
社内SNSでアンケートを行う目的の1つ目は、人事制度・福利厚生に関する意見聴取です。
現状の人事制度や福利厚生に、少なからず課題を感じている担当者も多いでしょう。しかし、実際の従業員がどのように考えているか理解しないと、適切に人事制度や福利厚生は改善できません。
そこで、社内SNS上で気軽にアンケートを行ってもらい、従業員に本音で意見を出してもらうことで、現状の課題や新しいアイデアが産まれることもあるでしょう。
社内コミュニケーション促進
社内SNSでアンケートを行う目的の2つ目は、社内コミュニケーション促進です。
組織の規模が大きくなると、どうしても社内コミュニケーションがおろそかになりがちで、特に業務で直接関わりのない他部署との交流が少なくなっても無理はありません。
加えて、社内コミュニケーションが不十分だと、業務の報連相も滞り、業務に支障が出る可能性があります。
そこで、社内アンケートを行ってその結果を共有することで、他のメンバーや部署が大切にしている価値観に触れてみましょう。
これがきっかけで、今まで話すことがなかったメンバーとも、話しやすくなるかもしれません。
関連記事:社内コミュニケーションはなぜ必要なのか?メリット・デメリット・方法・企業事例を紹介!
経営方針の浸透度確認
社内SNSでアンケートを行う目的の3つ目は、経営方針の浸透度確認です。
特に、ある程度の規模の組織であれば、経営層と従業員の間で、目指す方向性にズレが生じても無理はありません。
そこで、社内アンケートを行うことで、経営層と従業員の間で、今後目指すべき方向や認識している課題にズレがないか、確認しましょう。
また、社内アンケートで従業員の本音を引き出し、そこから経営改善に資する知見を見出せた場合は、活用しましょう。
社内SNSでアンケートを行うプロセス
ここでは、社内SNSでアンケートを行うプロセスを以下の5点から解説します。
- アンケート目的の明確化
- スケジュール策定
- アンケートの設計・実施
- アンケート結果の集計・分析
- アンケート結果を踏まえて改善策立案・実施
1つずつ見ていきましょう。
アンケート目的の明確化
社内SNSでアンケートを行うプロセスの1つ目は、アンケート目的の明確化です。
まず、社内SNSでアンケートを行う目的を明確にしましょう。目的が不明確では、アンケートの効果を期待できません。
人気商品の売り上げ低迷や退職者抑制など、社内の課題を明らかにし、経営層とも共有する過程で、アンケートの目的も明確になっていくはずです。
スケジュール策定
社内SNSでアンケートを行うプロセスの2つ目は、スケジュール策定です。
組織規模や社内アンケート方法によって、アンケートに要する期間は異なりますが、多くの場合、実施から結果の分析まで数ヶ月はかかると考えるべきでしょう。
アンケートの設計・実施
社内SNSでアンケートを行うプロセスの3つ目は、アンケートの設計・実施です。
アンケートは、対象とする従業員から確実に本音で回答を引き出せるよう、事前に十分に設計を行いましょう。例えば、アンケートの質問が多すぎると、回答者は回答をおっくうに感じるものです。
また、調査目的の通知や調査終了の通知なども行っておくと、回答率がより向上するでしょう。設計を十分に行ったら、アンケートを実施します。
アンケート結果の集計・分析
社内SNSでアンケートを行うプロセスの4つ目は、アンケート結果の集計・分析です。
アンケートは、結果をうまく活用できなければ意味がありません。例えば、評価制度に不満があるとの回答が多い場合は、具体的にどこに不満を感じる従業員が多いのか分析しましょう。
上司のマネジメントか、あるいは評価制度に問題があるのかもしれません。
関連記事:プロジェクト管理における傾向分析を徹底解説!6つの手法と5つの実施ステップを紹介
アンケート結果を踏まえて改善策立案・実施
社内SNSでアンケートを行うプロセスの5つ目は、アンケート結果を踏まえて改善策を立案・実施することです。
アンケート結果から抽出された課題の解決策を立案しましょう。そのときには、経営層がアンケート結果をどう受け止めたか、従業員に共有することが欠かせません。
そして、改善策を実施して、PDCAサイクルを回していきましょう。
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイント
ここでは、社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントを以下の5点から解説します。
- 明確な導入文を作成
- 目的に応じ記名式か否か決定
- 適切な質問形式を選択
- 分かりやすい質問文を作成
- 適切な順序で質問を実施
1つずつ見ていきましょう。
明確な導入文を作成
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントの1つ目は、明確な導入文を作成することです。
回答者は、最初にアンケートの導入文を読んでからアンケートに回答するものです。
そのため、アンケートの目的や回収したデータの活用予定などを、導入文で分かりやすく説明し、回答者に安心感を与えましょう。これにより、回答者から本音を引き出しやすくなります。
目的に応じ記名式か否か決定
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントの2つ目は、目的に応じ記名式か否か決定することです。
記名式とは、回答者がわかるアンケート形式のことで、対義語は無記名式です。両者のメリット、デメリットを、以下の表にまとめました。
記名式 |
無記名式 |
|
---|---|---|
メリット |
追加で分析しやすい。また、必要に応じて個別ヒアリングもしやすい。 |
本音を引き出しやすい。また、回答率も向上しやすい。 |
デメリット |
信頼関係を築けていないと、本音を引き出しにくい。 |
集計時に個人と紐づけられないため、個人の人材育成などに活用しづらい。 |
適切な質問形式を選択
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントの3つ目は、適切な質問形式を選択することです。ここでは、代表的な質問形式を4つ解説します。
単一回答 |
複数の選択肢より、最も当てはまる選択肢を1つだけ選択してもらう形式です。最も手軽に回答できるため、質問数が多い場合に向いています。 |
複数回答 |
複数の選択肢より、当てはまる選択肢を全て選択してもらう形式です。回答者は感じるままに回答しやすいメリットがあります。 |
順位付け |
複数の選択肢より、特に重要と感じる順で、順位をつけてもらう形式です。傾向を把握したい場合に向いています。 |
自由記述 |
文章で意見を記述してもらう形式です。選択式では実現できない、よりリアリティのある回答や、質問者の想定していなかった回答を引き出せる可能性があります。 |
分かりやすい質問文を作成
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントの4つ目は、分かりやすい質問文を作成することです。以下のポイントに注意すれば、質問文がわかりやすくなるでしょう。
- 多くの質問対象者が理解できない専門用語や難読用語は乱用しない(使わなければならない場合は、注釈を入れる)
- 回りくどい表現ではなく、明快な表現にする
- 回答を誘導するような質問内容にしない
- 質問の観点を1つに絞る
- 誤字脱字や明らかな文法の間違いをなくす
適切な順序で質問を実施
社内SNSのアンケート設計で気をつけるべきポイントの5つ目は、適切な順序で質問を実施することです。
場合によっては、順番に回答していくうちに、前の質問に回答内容が影響されてしまうことがあるかもしれません(「初頭効果」)。
例えば、「リモートワーク導入」に関するアンケートを行った後、労働環境について質問すると、その回答はリモートワーク導入が前提として行われる可能性があります。
そのため、質問の順序を考えるときには、「初頭効果」が出ないか注意して考えてみると、より客観的な回答を得られるかもしれません。
関連記事:社内SNSの評価は?メリット・デメリットとポイントを解説
社内SNSを用いたアンケートの効果を高めるポイント
ここでは、社内SNSを用いたアンケートの効果を高めるポイントを以下の3点から解説します。
- アンケートで知りたいことを明確化
- 回答者の投票内容を事前に仮説立て
- 回答の対象者を記載
1つずつ見ていきましょう。
アンケートで知りたいことを明確化
社内SNSを用いたアンケートの効果を高めるポイントの1つ目は、アンケートで知りたいことを明確化することです。
ワンクリック・ワンタップであっても、従業員の時間を取ってしまうことになります。そのため、目的が不明確なアンケートは、時間の無駄と思われても仕方ありません。
回答者の投票内容を事前に仮説立て
社内SNSを用いたアンケートの効果を高めるポイントの2つ目は、回答者の投票内容を事前に仮説立てすることです。
例えば、「社員食堂の改善点」というテーマでアンケートを取る場合、以下の選択肢が考えられます。
- 値段が高い
- おいしくない
- メニューが充実していない
これまで寄せられた意見を参考に、選択肢を考えるとよいでしょう。
また、投票結果を事前に予測しておくと、実際の結果とのギャップを確認でき、従業員とどの程度認識の差があるのか把握できるためおすすめです。
回答の対象者を記載
社内SNSを用いたアンケートの効果を高めるポイントの3つ目は、回答の対象者を記載することです。
例えば、入社して間もない従業員に特化したアンケートを行いたい場合は、「入社3年目までの従業員が対象です」と記載しましょう。このように、回答の対象者を記載しておくことで、回答者の精度向上が期待されます。
関連記事:社内SNSのメリット・デメリット・導入と運用のためのポイントを徹底解説!
まとめ
今回は、社内SNSでアンケートを行う目的やプロセス・ポイントを解説しました。社内SNSでアンケートを行うことで、意見徴収やコミュニケーション促進、さらには経営方針の浸透度確認が期待できます。
目的の明確化から改善策の立案・実行まで、プロセスを踏んで確実に行いましょう。
また、アンケート設計やアンケート結果の活用方法にも、いくつかポイントがあります。それらのポイントも事前に把握してアンケートを行うと、より効果的なアンケートにできるでしょう。
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