限界を超えた業務量に取り組むと集中力が低下し、結果的に効率が悪くなることがあるため、事前に対策を知っておく必要があります。
そこで今回は、キャパオーバーのサインと、起こる原因となりやすい人の特徴、予防策を解説します。
【目次】
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キャパオーバーとは?
キャパオーバーは、過剰な業務量やプレッシャーにより、精神的・肉体的に負荷がかかっている状況を指します。キャパオーバーの「キャパ」は英語のCapacity(能力・容量)、「オーバー」は英語のover(超える)から来ており、日本でのみ通じる外来語です。英語圏では「キャパオーバー」という表現は通じないため注意が必要です。
キャパオーバーの状態に陥ると、ストレスや疲労を引き起こすことがあります。予防するには、自己管理と周囲のサポートが欠かせません。適切な業務量を維持し、無理のない働き方を心掛ける必要があるでしょう。
キャパオーバーの兆候・サイン
ここでは、キャパオーバーの兆候・サインについて、以下の4点を解説します。
- ミスを多発する
- 長時間労働になる
- 情緒不安定になる
- モチベーションが低下している
1つずつ見ていきましょう。
ミスを多発する
キャパオーバーの兆候・サインの1つ目は、ミスを多発することです。
簡単な作業であっても注意力や集中力が欠けると、ミスが発生しやすくなります。キャパオーバーになると、焦りや不安が増し、注意力が散漫になることも少なくありません。冷静な判断や作業が難しくなり、ミスが頻発するためです。
焦りや不安が高まると、作業効率が低下し、さらにミスが増える悪循環に陥ってしまいます。一旦立ち止まって深呼吸をし、心を落ち着ける必要があります。また、小まめに休憩を取ることも効果的です。休息の時間を設け、頭と体をリフレッシュさせましょう。
長時間労働になる
キャパオーバーの兆候・サインの2つ目は、長時間労働になることです。
仕事の内容や量が許容量を超えると、就業時間内に業務を終えられないことがあります。長時間労働が続くと、心身に大きな負担がかかります。疲労が蓄積すると、注意力が低下し、仕事の質が下がることもあるでしょう。繁忙期ではなく平常時でも残業になってしまう場合は、早めに対策を取る必要があります。
情緒不安定になる
キャパオーバーの兆候・サインの3つ目は、情緒不安定になることです。
少しのことでイライラしたり、感情の浮き沈みが激しくなったりして、気持ちに余裕がなくなることがあります。感情が不安定になると、仕事に集中できません。また、慢性的に疲れを感じたり、不眠や頭痛など身体的な症状が現れることもあります。放置すると、状態は悪化する恐れがあるため休息を取る必要があるでしょう。
モチベーションが低下している
キャパオーバーの兆候・サインの4つ目は、モチベーションが低下していることです。
気持ちの切り替えがうまくできず、仕事に取り掛かろうとしても、なかなか手をつけられないといったことがあります。人によっては仕事に対する意欲が低下し、日常業務をこなすことも難しくなるでしょう。まずは、自分の現状を冷静に見つめ直し、解決策を講じる必要があります。
キャパオーバーが起こる原因
ここでは、キャパオーバーが起こる原因について、以下の3点を解説します。
- 業務量が多い
- タスクの優先順位がつけられない
- 仕事やプライベートで悩みを抱えている
1つずつ見ていきましょう。
業務量が多い
キャパオーバーが起こる原因の1つ目は、業務量が多いことです。
自分が処理できる業務量を見積もれずに、新たな仕事を受けてしまうと、キャパオーバーになってしまいます。まず、自分の現在の業務量を把握し、自己管理力をつけることが大切です。また、段取りをしっかりと組み、優先順位をつけて業務を行い、効率を向上させる必要があります。
関連記事:タスク管理を効率化する7つのコツ!手段やメリットも解説
タスクの優先順位がつけられない
キャパオーバーが起こる原因の2つ目は、タスクの優先順位がつけられないことです。
仕事の優先順位をつけられずにタスクが滞ると、気付いたときにはキャパオーバーになっていることも珍しくありません。タスクが積み重なると、どこから手をつけてよいか分からなくなってしまいます。日々の業務の中で、定期的に手持ちのタスクの見直しを行い、柔軟に対応していく必要があります。
関連記事:タスク管理能力を徹底解説!必要なスキル・能力を高める方法も詳しく紹介!
仕事やプライベートで悩みを抱えている
キャパオーバーが起こる原因の3つ目は、仕事やプライベートで悩みを抱えていることです。
職場での人間関係や友人、家族の問題といった悩みがあると、本来の力を100%発揮できず、作業が遅々として進まないことがあります。悩みを抱えながら仕事をしていると、集中力や注意力が欠け、ミスが増える原因となります。
さらに、精神的なストレスが加わると、業務効率は低下し、結果として業務時間が長くなってしまうでしょう。まずは、悩みの解消に専念することが重要です。
キャパオーバーになりやすい人の特徴
ここでは、キャパオーバーになりやすい人の特徴について、以下の5点を解説します。
- 責任感が強い
- 断るのが苦手
- スケジュール管理が不得意
- 完璧を求める
- 着任したばかり
1つずつ見ていきましょう。
責任感が強い
キャパオーバーになりやすい人の特徴の1つ目は、責任感が強いことです。 責任感の強い人は、仕事がうまくいかない理由を、他責ではなく自分の責任として捉える傾向があります。
自分の能力不足や仕事のスキル不足を責めると、心身のバランスを崩してしまいます。また、人に任せられずに、1人で仕事を抱え込んでしまうことも珍しくありません。自身の業務が増えると、キャパオーバーにつながってしまいます。仕事の割り振りやタスクの共有を意識し、1人で悩まないことが大切です。
関連記事:タスクマネジメントと管理の上手な手順とコツを解説!やるべき理由も紹介
断るのが苦手
キャパオーバーになりやすい人の特徴の2つ目は、断るのが苦手であることです。 自分に自信がなく、断る勇気が出ないことも原因の1つです。
時間がないことは理解していても、新たな業務を引き受けてしまいます。キャパオーバーにならないためには、自己管理と適切なコミュニケーションが欠かせません。自分の業務量を把握し、無理な頼みごとは丁寧に断る勇気を持ちましょう。断る技術は、自分と周囲を守るためにも必要なスキルです。
スケジュール管理が不得意
キャパオーバーになりやすい人の特徴の3つ目は、スケジュール管理が不得意であることです。 自分の仕事量やスケジュールの管理が苦手だと、締め切りや納期に間に合わないことがあります。
常にスケジュールに追われて集中できないため、ミスを起こしてしまうこともあるでしょう。キャパオーバーを予防するには、スケジュール管理とタスクの優先順位付けを行い、管理力を身に付けていく必要があります。
関連記事:スケジュール管理ツールで時間を制す!おすすめ8選と選び方を紹介
完璧を求める
キャパオーバーになりやすい人の特徴の4つ目は、完璧を求めることです。 業務1つ1つに手を抜かず、妥協しないため、重要な仕事を任されるケースも多いでしょう。
しかし、細かい部分まで質を上げようとするあまり、膨大な仕事量を抱えてしまうことがあります。結果的に、仕事の量が増えすぎて、キャパオーバーに陥りかねません。まずは、自分が完璧主義であることを自覚し、期限内に終わる見込みがないときには、妥協することも重要です。ケースバイケースで「十分に良い」レベルで満足することも必要です。
着任したばかり
キャパオーバーになりやすい人の特徴の5つ目は、着任したばかりということです。 入社や転職直後は、与えられた業務がどの程度で終わるのか見当がつかずに、キャパオーバーに陥ることがあります。
新しい環境に適応しようと、緊張状態が続くため、ストレスも増加します。着任したばかりでキャパオーバーを感じるときには、上司や教育担当、信頼できる同僚に相談しましょう。仕事量の見直しや効率的な仕事の方法を提案してもらうことが大切です。新しい環境でスタートするときには、無理をせず、自分のペースで業務を進めることをおすすめします。
キャパオーバーにならないための予防策
ここでは、キャパオーバーにならないための予防策について、以下の5点を解説します。
- 業務量を見直す
- 進捗情報を共有する
- 従業員の特徴を把握して割り振る
- 上司や同僚に相談する
- リフレッシュする時間を設ける
1つずつ見ていきましょう。
業務量を見直す
キャパオーバーにならないための予防策の1つ目は、業務量を見直すことです。
まずは、自分の現在の業務量を正確に把握しましょう。マインドマップ式のタスク棚卸し方法を活用すると効果的です。まず、白い紙に手持ちのタスクをすべて書き出していきます。書き出したタスクを、大枠のカテゴリに分類していきましょう。
個々のタスクには緊急度や優先度を追記し、最も重要なものからスケジュールに組み込んでいきます。タスクを細かく分けると、1つずつのタスクも処理しやすくなります。また、マインドマップ上でタスクが可視化できると、他の従業員への依頼も検討できるでしょう。
進捗情報を共有する
キャパオーバーにならないための予防策の2つ目は、進捗情報を共有することです。
チームで仕事をする場合、全体の業務量を可視化し、管理していくことが理想的ですが、実際にはそれが難しいことも少なくありません。そこで、個々のメンバーが自分の進捗状況を積極的に共有することをおすすめします。
また、普段からサポートし合える関係を築いておくことも、自分を守るためには重要です。お互いの業務状況を把握することで、キャパオーバーを未然に防ぐことができます。進捗状況を定期的に共有し、チーム全体で効率的に仕事を進めましょう。
関連記事:情報共有がチームワークを高める!具体的な手段やコツを解説
従業員の特徴を把握して割り振る
キャパオーバーにならないための予防策の3つ目は、従業員の特徴を把握して割り振ることです。
上司やマネージャーの立場にいる場合は、個々の従業員の特性や得意分野を把握した上で業務を割り振っていきます。従業員は、苦手な仕事に対する負担が軽減されるため、キャパオーバーのリスクも低減されるでしょう。健全な働き方を維持するために、従業員の特徴を把握して業務を割り振ることは不可欠です。
上司や同僚に相談する
キャパオーバーにならないための予防策の4つ目は、上司や同僚に相談することです。
多くの業務量を抱えていると、自分1人では処理できない業務が出てくることがあります。その場合は、他の従業員に協力を仰ぐことができないか、上司や同僚に相談しましょう。相談するときには、作業量と作業時間の目安、そして具体的な作業手順をしっかりと伝えることがポイントです。
キャパオーバーを防ぐためにも、オープンなコミュニケーションを大切にし、ためらわずに手助けを求めましょう。職場での協力関係を築くことで、健全な働き方を維持し、キャパオーバーのリスクを低減できます。
関連記事:情報共有はコミュニケーションの一側面!職場にどのようなメリットをもたらす?
リフレッシュする時間を設ける
キャパオーバーにならないための予防策の5つ目は、リフレッシュする時間を設けることです。
心や体が疲れていると、仕事に集中できず業務効率が低下してしまいます。適度に休暇を取り、リフレッシュすることが大切です。仕事から離れてリラックスすることで、ストレスを軽減し、モチベーションを維持できます。また、普段から作業中に短い休憩を挟むことも効果的です。
休憩時間を利用して軽い運動をしたり、深呼吸をしてリラックスしたりすることで、集中力を取り戻し、効率的に仕事を進められます。自分の健康を大切にし、適度な休息を取りながら、長期的に仕事を維持し続けていきましょう。
まとめ
今回は、キャパオーバーのサインと、起こる原因となりやすい人の特徴、予防策を紹介しました。キャパオーバーを防ぐには、自分の業務量を見直し、タスクの優先順位をつけましょう。また、進捗情報をチームと共有し、協力体制を築いて仕事の負担を分散させることも有効です。
進捗状況の把握には、デジタルツールやアプリを活用するとさらに効果的です。本記事で紹介した方法を参考に、キャパオーバーにならない働き方を目指しましょう。
5分でわかる2023年ビジネスコミュニケーション利用実態調査
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