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CRM分析はなぜ重要?代表的手法や役立つツールも解説
CRM分析はなぜ重要?代表的手法や役立つツールも解説
顧客情報は、マーケティングや営業など企業活動を行っていくには重要な情報になります。
また、その顧客情報を効率的に管理・活用していくためには、CRMの活用が有効です。

しかし、CRMで顧客情報を管理するだけでは顧客情報を活用できません。
大切なことは、CRMで蓄積してきた顧客情報を分析し、企業活動に役立つ知見を得ることです。
ただ、分析を行う具体的な目的、あるいはどのような分析手法やCRMツールを活用すればよいか、よくわからない方もいるでしょう。

そこで今回は、CRM分析の目的や分析手法、分析のポイントを解説した上で、CRM分析に役立つCRMツールを4つ紹介します。

【目次】

コミュニケーションツール活用のポイント

CRM分析の目的

CRM分析の目的

CRM(Customer Relationship Management・顧客関係管理)は、企業や顧客の連絡先や購入履歴、接触履歴などのデータを管理することです。

ただし、CRMを実現するためのツールを、”CRM”と呼ぶことも増えてきました。

関連記事:顧客管理とは何か?注目される理由と方法を徹底解説

 

単にCRMで顧客情報を管理していくだけでは不十分で、CRMで蓄積しているデータを分析し、成功パターンや課題を見出し、次の施策を立案することが欠かせません。これがCRM分析です。

ここでは、CRM分析の目的を以下の3点から解説します。

  • 顧客との関係性強化
  • LTV向上
  • 施策効果の向上

1つずつ見ていきましょう。

顧客との関係性強化

CRM分析の目的の1つ目は、顧客との関係性強化です。

CRM分析で顧客情報を分析し、顧客属性・行動を理解することで、顧客関係の強化につなげられます。ターゲットに対して最適なアプローチを行い、顧客の愛着を得る営業・マーケティング方法を実践することで、リピーター獲得に役立てましょう。

関連記事:顧客管理システムのメリットと活用法、顧客との強固な関係構築のコツ

LTV向上

CRM分析の目的の2つ目は、LTV向上です。

LTV(Life Time Value・顧客生涯価値)は、顧客が企業に支払う生涯の利益を意味します。LTVの高い顧客であれば、頻繁に商品を購入するか、一度に高い金額を支払ってくれることが多い顧客です。

そのため、LTVの高い顧客は、安定して収益を上げたい企業にとっては大切にしたいと言えるでしょう。

また、LTVを高めるには、顧客理解を深めて顧客が必要とする価値を提供し続けることが欠かせません。

CRM分析を通じて顧客理解を深め、営業のロイヤリティを高めることで、顧客満足度を向上させ続けましょう。

関連記事:CRMの重要性とは?機能の詳細から導入する必要があるかなど詳しく解説

施策効果の向上

CRM分析の目的の3つ目は、施策効果の向上です。

業績アップには、施策の効果を的確に高める必要があります。そこで、CRM分析により売り上げ向上(低下)の要因と結果にどのような因果関係があるのか、明らかにしましょう。

これにより、より正確な予測や課題の発見・解決が可能となり、PDCAサイクルを円滑に回せるようになるはずです。

関連記事:CRM施策で業績を飛躍的に伸ばす!事例で学ぶ効果的な戦略と手法

CRM分析の代表的手法

CRM分析の代表的手法

ここでは、CRM分析の代表的手法を以下の9点から解説します。

  • RFM分析
  • CPM分析
  • デシル分析
  • セグメンテーション分析
  • CTB分析
  • LTV分析
  • クラスター分析
  • 行動トレンド分析
  • 売上分析

1つずつ見ていきましょう。

RFM分析

CRM分析の代表的手法の1つ目は、RFM分析です。

RFM分析は、以下の3つの指標から顧客分析を行い、顧客の重要度を測定し、優良顧客を客観的に判断する分析手法です。

R(Recency・直近購入日)
  • 顧客が最後に購入した日
  • 購入日が近いほど重要度が高い
F(Frequency・購入頻度)
  • 顧客の購入頻度
  • 購入頻度が高いほど重要度が高い
M(Monetary・購入金額)
     
  • 顧客の購入金額
  • 購入金額が高いほど重要度が高い

RFMの指標がよいほど、優良な顧客と言えるでしょう。また、RFMの3指標は、顧客獲得の戦略立案にも役立ちます。

例えば、直近購入日が遠いものの、購入金額が多い場合を考えてみましょう。

その場合、すでに自社から心が離れてしまっているものの、一度に購入してくれる金額は大きいため、興味関心を取り戻せれば優良顧客になってくれる可能性があります。

そのため、自社に再び興味をもってもらう施策が有効と考えられるでしょう。

CPM分析

CRM分析の代表的手法の2つ目は、CPM分析です。

CPM(Customer Portfolio Management)分析は、顧客を以下の10グループに分類する分析手法です。

初回顧客

設定期間内にて、1度だけ購入した顧客

よちよち顧客

設定期間内にて、2度以上購入した顧客

コツコツ顧客

設定期間内にて、リピート購入した顧客

流行現役顧客

短い設定期間にて、設定金額以上購入した顧客

優良現役顧客

長い設定期間にて、設定金額以上購入した顧客

初回離脱顧客

設定期間内にて、初めて購入した顧客

よちよち離脱顧客

設定期間内にて2回以上購入したものの、離脱した顧客

コツコツ離脱客

設定期間内にてリピート購入したものの、離脱した顧客

流行離脱客

短い設定期間で設定金額以上購入したものの、離脱した顧客

優良離脱客

長い設定期間で設定金額以上購入したものの、離脱した顧客

先ほど解説したRFM分析では、売上向上に主眼が置かれています。一方CPM分析は、顧客に中長期的アプローチを行い、LTVを向上させることに主眼が置かれています。

また、RFM分析よりも幅広い顧客を分類できることも、特長です。

デシル分析

CRM分析の代表的手法の3つ目は、デシル分析です。

デシル分析は、購入金額の大きさに基づき顧客を10等分にグループ分けする分析手法です。各グループの合計金額を、総購入金額で割ることで比率が求められます。

デシル分析を用いることで、顧客アプローチの優先順位や高額グループの傾向を把握できます。

ただし、デシル分析では購入日は考慮されません。そのため、分析精度をより向上させたい場合は、「直近〇か月」など期間を絞るとよいでしょう。

セグメンテーション分析

CRM分析の代表的手法の4つ目は、セグメンテーション分析です。

セグメンテーションは、顧客をニーズや属性などを用いて分類することを意味します。よって、セグメンテーション分析とは、性別や年齢など基本情報や購入履歴に注目し、顧客属性を分類・分析する分析手法のことです。

セグメンテーション分析の結果、購入頻度や金額が大きいと判断されたセグメントの顧客は、重視すべき顧客と考えましょう。

このように、顧客のニーズを把握して精度の高いターゲットを確定することで、効果的なプロモーションが可能となります。

CTB分析

CRM分析の代表的手法の5つ目は、CTB分析です。

CTB分析は、商品を以下の3要素を切り口に分析する分析手法です。

C(Category・カテゴリー)

商品を大分類・中分類・小分類などのカテゴリーに分類

T(Taste・テイスト)

商品のデザインやサイズなど(色・模様・形)

B(Brand・ブランド)

商品ブランドやキャラクターなど

CTB分析で、人気や売上の大きい商品の特徴を把握することで、商品開発やプロモーションに役立つ情報を得られるでしょう。

また、他の分析方法と組み合わせて、売上の大きい顧客が好む商品の傾向を把握することで、より効果的なマーケティング戦略立案に役立ちます。

LTV分析

CRM分析の代表的手法の6つ目は、LTV分析です。

LTV(Life Time Value・顧客生涯価値)は、顧客が生涯で使う金額を示す指標であり、以下の式で計算できます。このLTVにより顧客を分析する分析手法が、LTV分析です。

LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

LTVが高い顧客であれば、一度の購入金額が低くても自社のファンとして安定して売り上げをもたらしてくれるため、大切にすべき顧客と言えるでしょう。

一方、単発の購入額は高くても、購入が一度きりであれば自社のファンとは言えません。

このように、LTVから自社のファンを判別し、よりファンに寄り添った施策を行うことで、安定した売り上げを期待できるでしょう。

クラスター分析

CRM分析の代表的手法の7つ目は、クラスター分析です。

クラスター分析は、異なる属性を持つ集団から似ている集団同士をまとめてグループ分けする分析手法です。グループ分けに際しては、明確な基準は設定されていません。

クラスター分析を活用することで、大量のデータを簡略化でき、特性や傾向を理解しやすくなります。

よって、より簡単に大量のデータを分析できるようになり、新しいサービスの開始や売上予測に役立つでしょう。

行動トレンド分析

CRM分析の代表的手法の8つ目は、行動トレンド分析です。

行動トレンド分析は、特定シーズンにおける商品・サービスの売上状況に注目し、顧客の購買行動の特徴を分析する方法です。

年齢・性別・居住地・職業などの顧客属性を活用して顧客を分類し、各顧客セグメントごとに行動トレンドを分析しましょう。

これにより、特定の時期において、より効果的にターゲットに対してアプローチすることが可能になります。

売上分析

CRM分析の代表的手法の9つ目は、売上分析です。

売上分析は、売上のプロセスや傾向などの現状を把握するための分析手法です。担当者や商品・サービスごとの売上傾向を把握することで、目標設定や予測に役立ちます。

また、売れ筋商品の特定やマーケティング効果の評価も可能です。さまざまな視点から売上について分析することで、売上拡大や利益確保につながる適切な施策を立案しましょう。

関連記事:顧客管理の分析でビジネスを加速!基礎知識から戦略への応用を徹底解説

CRM分析を成功させるポイント

CRM分析を成功させるポイント

ここでは、CRM分析を成功させるポイントを以下の4点から解説します。

  • 日頃の情報整理
  • ERPの活用
  • 既存顧客への転用
  • 自社の現状に合致したツールの活用

1つずつ見ていきましょう。

日頃の情報整理

CRM分析を成功させるポイントの1つ目は、日頃の情報整理です。

CRM分析を行うには、まずは顧客の情報を整理し、データとして蓄積しておくことが欠かせません。

部門ごとに顧客情報を整理し、個人情報や購入履歴に加え、顧客の好みなどニーズに関する情報もデータ化・共有を図りましょう。これにより、CRM分析結果をより正確なものにできるはずです。

関連記事:顧客管理データベースの作り方!ExcelとCRMのメリット・デメリットと活用のコツも解説

ERPの活用

CRM分析を成功させるポイントの2つ目は、ERPの活用です。

CRM分析を行う場合は、ERP(Enterprise Resource Planning)も活用すると企業情報を一元管理でき、顧客情報を共有できる環境が整います。

※ERP(Enterprise Resource Planning):企業の経営リソースを一元管理し、企業全体で経営リソースの最適化を実現する経営手法

なぜなら、ERPで部署ごとに点在している情報を統合することで、CRM分析に利用できる情報が増え、CRM分析結果の精度も向上するからです。

また、ERPは企業全体だけでなく部署単位でも導入可能なので、最初から情報収集が難しい場合は段階的にERPを導入することも可能です。

そのため、最初から全社的にERPを活用することにこだわりすぎず、事業内容や規模に応じて柔軟に導入していくことも検討しましょう。

既存顧客への転用

CRM分析を成功させるポイントの3つ目は、既存顧客への転用です。

CRM分析の基本的な目的は、既存顧客の特徴を把握し、顧客ごとに最適なアプローチを見つけることです。

もちろん新規顧客獲得にもCRM分析の結果は大いに活用できますが、新規顧客獲得は、既存顧客にリピーターになってもらうよりも費用や時間がかかるとされています。

そのため、CRM分析を活用して既存顧客にアプローチし、優良顧客に育てる施策から始める方が効果的です。

そして、CRM分析のノウハウが蓄積されていったら、新規顧客獲得にCRM分析結果を応用してみましょう。

関連記事:CRMを営業で活用するには?SFAとの違いや基本機能も解説

自社の現状に合致したツールの活用

CRM分析を成功させるポイントの4つ目は、自社の現状に合致したツールの活用です。

CRM分析を行うには、自社に合ったCRMツールを活用しましょう。CRMツールを選ぶ際には、多機能なツールを選ぶことが正解とは限りません。

目的や使い方を明確にし、最適なツールを選びましょう。たとえば、リピーター増加をCRM分析の目的にする場合は、顧客特性や購入パターンを分析する機能を有するツールがおすすめです。

また、部門ごとに情報が分散していることに課題を感じている場合は、情報共有に強みがあるツールを選ぶとよいでしょう。

関連記事:CRMを徹底解説!おすすめツール6選と求められる背景や機能・メリット・デメリットを詳しく紹介

CRM分析に役立つツール4選

CRM分析に役立つツール4選

ここでは、CRM分析に役立つツールを以下の4点から解説します。

  • Sansan
  • kintone
  • Knowledge Suite
  • eセールスマネージャーRemix Cloud

1つずつ見ていきましょう。

Sansan

Sansan

Sansanは、Sansan株式会社が提供する法人向け名刺管理サービスです。日本国内では82%ものシェアを誇る名刺管理サービスですが、CRMと連携させることで名刺から得られる情報とCRMを紐づけて、より詳細なCRM分析が可能になります。また、Sansan自体にもCRMとしての機能があり、さまざまな接点から顧客情報を収集・蓄積できる上、顧客リスト作成も可能です。

Sansanの特長

  1. 8,000社もの導入実績!
  2. オンデマンドセミナーで働き方改革に役立つ情報が入手可能
  3. 無料トライアルを利用可能!

詳細はこちら: https://jp.sansan.com/

 

kintone

kintone

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する業務用クラウドサービスです。顧客情報の一元管理や共有も可能なので、CRMとしても活用できます。また、アプリに蓄積しているデータを活用し、リアルタイムにグラフを作成することも可能なので、顧客情報の可視化・分析にも便利です。他にも多種多様な機能を備えているので、自社の状況に合わせて必要な機能を活用できるでしょう。

kintoneの特長

  1. iOSやAndroidOSのアプリもあるため、モバイル端末からのアクセスも便利
  2. 導入事例が多数紹介されているので、導入前に参考にしよう
  3. 30日間無料でお試し可能!

詳細はこちら: https://kintone.cybozu.co.jp/

 

Knowledge Suite

Knowledge Suite

Knowledge Suiteは、ブルーテック株式会社が提供するSaaS型オールインワンツールです。CRMだけでなく、SFAやグループウェア、名刺交換ツールとしても活用できます。紙の名刺をスキャンすることで、情報を読み込んで顧客情報として保存可能です。また、ユーザー数は無制限で、使ったデータ数だけお支払いするので、規模が大きな組織で一度に多くの人が使いたい場合にもおすすめできます。

Knowledge Suiteの特長

  1. PCだけでなくモバイル端末でもアクセスしやすいので、テレワークにも有効
  2. グッドデザイン賞など数多くの賞で受賞実績!高品質が認められている証
  3. 無料トライアル可能!

詳細はこちら: https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/

 

eセールスマネージャーRemix Cloud

eセールスマネージャーRemix Cloud

eセールスマネージャーRemix Cloudは、ソフトブレーン株式会社が提供するCRM/SFAツールです。CRMツールとしても使え、顧客情報画面を閲覧すれば顧客に関するあらゆる状況を、一目で理解できるでしょう。また、人脈管理機能を活用すれば、名刺から得た情報に加えてまだ会えていない見込み客の関係者も見える化できます。複数の関係者を巻き込んで意思決定を行うことが多いBtoBビジネスでは、特にありがたい機能と言えるでしょう。

eセールスマネージャーRemix Cloudの特長

  1. 5,500社超えの導入実績・ノウハウ
  2. 個別相談会や設定支援動画など、導入サポートが充実
  3. 30日間無料トライアル可能

詳細はこちら: https://www.e-sales.jp/

 

関連記事:顧客管理(CRM)ツールとはなにか?おすすめのツール10選を徹底解説!メリットと選定のポイントも紹介

まとめ

まとめ

今回は、CRM分析の目的や分析手法、分析のポイントを解説した上で、CRM分析に役立つCRMツールを4つ紹介しました。

CRMで蓄積してきた顧客情報を分析することで、顧客との関係性強化やLTV向上などに資する知見を得て、よりよい企業活動につなげられるでしょう。

CRM分析には、RFM分析やセグメンテーション分析など、さまざまな分析手法がありますが、分析目的に応じて最適な手法を選択しましょう。

また、CRM分析を成功させるには、日頃からデータを整理することに加え、自社にとって最適なCRMツールを活用することも必要です。

CRMツールは数多く存在しますが、まずは今回紹介した4つから検討してみてはいかがでしょうか。

 

コミュニケーションツール活用のポイント
ビジネスコミュニケーション調査を基に課題と対応方法を徹底解説!

 

コミュニケーションツール活用のポイント

 

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CrewWorks編集部
この記事を書いた人
CrewWorks編集部
CrewWorksコラムは、ビジネスチャット、タスク管理、CRM、社内SNS、ナレッジ共有などのコミュニケーションツールに関する情報やビジネスコミュニケーションをより円滑にするための情報を発信します。
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