そのため、プロジェクト管理において課題管理は、重要であるといえます。
そこで今回は、プロジェクト管理で重要な課題管理の基本概要・「PMBOK」での課題管理・課題管理表とは何か・課題管理のポイントを解説します。
【目次】
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プロジェクト管理で重要な課題管理の基本概要
はじめに、プロジェクト管理で重要な課題管理の基本概要を、以下の2点から解説します。
- そもそも課題管理とは?
- 課題管理とよく似たリスク管理との違い
1つずつ見ていきましょう。
そもそも課題管理とは?
プロジェクト管理における課題管理とは、プロジェクトの進行中に発生した問題を特定し、解決するためのプロセスです。
プロジェクトにおいては、何らかの問題が発生し、順調に進まないことが少なくありません。そのため、課題管理において、問題発見と特定・分析・解決策の策定・問題解決に関するコミュニケーション方法を策定します。
課題管理は、プロジェクトの成功に必要な活動の一部であり、プロジェクトのスケジュール・コスト・品質などの要件を満たすために不可欠といえます。
課題管理を行うことにより、問題の早期発見・解決を実現し、問題が起きてもプロジェクトのスケジュール・コストへの影響を抑えることが可能です。
課題管理に関する項目分析
発見と特定 |
プロジェクトの進行中に発生した問題を特定し、問題の説明・発生源・影響度など記録する |
分析 |
問題が発生した背景や条件・関連する要素など、発生した原因を分析し、根本的な問題を特定する |
解決策の策定 |
対策の方針・アクションプラン・責任者など、分析の結果から問題を解決するための方法を策定する |
解決 |
解決策を実行し、問題を解決する |
コミュニケーション方法 |
問題の発生や解決に関する情報を、関係者に伝える |
課題管理とよく似たリスク管理との違い
課題管理は、起こった問題がプロジェクトのスケジュール・コストに影響を与えないようにするために、問題の早期発見・解決を目的としています。
課題管理は、プロジェクトの進行中に発生した問題を特定し、解決するためのプロセスであり「現在発生している問題に対して対処」します。
一方、リスク管理の目的は、将来発生する可能性のある問題を予防することができるようにすることです。
リスク管理は、プロジェクトの進行中に「発生する可能性のある問題を特定し対処する」ためのプロセスであり、将来発生する可能性のある問題に対して対処することをいいます。
関連記事:プロジェクト管理のカギを握る「リスク管理」を徹底解説!
プロジェクト管理のガイドブック「PMBOK」での課題管理
Project Management Body of Knowledge (PMBOK)は、Project Management Institute (PMI)が発行するプロジェクト管理において基本的な原則や手法を定義したガイドブックです。
現在、世界中のプロジェクト管理で広く採用されています。PMBOKで定義される課題管理は、プロジェクト管理の中で「監査」の役割とされています。
監査には、プロジェクトの進捗を監視し、必要に応じて調整するための活動が含まれます。
なお、PMBOKでは、課題管理における活動について、以下のように定義されています。
問題の識別 |
プロジェクトの進行中に発生した問題の特定 |
問題の分析 |
発生した問題の原因分析 |
解決策の策定 |
分析結果から解決策を策定 |
問題の解決 |
解決策による問題解決 |
PMBOKでは、課題管理をプロジェクトの進捗管理・必要に応じての調整をするための活動であると定義し、発生している問題への対処を行う方法を定めています。
関連記事:プロジェクト管理に必要な項目を徹底解説
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プロジェクト管理で適切に課題管理をおこなうための「課題管理表」
プロジェクト管理では、課題管理が欠かせません。課題管理をスムーズに進めるための便利なツールが、課題管理表です。
ここでは、プロジェクト管理で適切に課題管理をおこなうための「課題管理表」を、以下の3点から解説します。
- 課題管理表とは?
- 課題管理表の項目
- 課題管理表の作成に便利なツール
1つずつ見ていきましょう。
課題管理表とは?
課題管理表は、チームの中で共有すべき課題・解決に必要な細分化されたタスク・課題解決の実施スケジュールをまとめた表です。プロジェクト管理の中では、課題の追跡・解決をするためのツールになります。
課題管理表には、課題の詳細・現在の状態(ステータス)・優先順位・責任者などの情報を記録することで、課題を効率的に管理することができます。
なお、予算・期限の関係上、「対応しない」ことも選択の1つです。対応しない場合であっても、課題管理表には書き出し、対応しないことをチームメンバーに明確に示す必要があります。
また、課題管理表は、プロジェクトのステータスを管理するためにも役立ちます。課題管理表を定期的に見直し、課題を解決するための行動計画を立てることで、プロジェクトをスムーズに進めることが可能です。
関連記事:優れたプロジェクト管理表とは?作成方法と進捗管理に便利なツールを徹底解説
課題管理表の項目
課題管理表には以下のような項目が含まれることが一般的です。
課題番号 |
課題を識別するための番号 |
課題のタイトル |
課題を簡潔に説明するためのタイトル |
課題の詳細 |
課題についての背景・内容などの詳細な説明 プロジェクトに及ぼす影響についてもわかる範囲で記載 |
発生日 |
課題が発生した日付 起票日と同日になるようにする 発覚したタイミング・抱えている期間の明確化が可能 |
優先順位 |
課題の優先順位 |
状態 |
進捗状況 課題の現在の状態 (未解決、解決済み、保留など) |
責任者 |
課題を解決する責任者 問い合わせ先 |
対応期限 |
課題を解決する期限 |
課題管理表の作成に便利なツール
課題管理表を作成するにあたって便利なツールはExcelシート・Googleスプレッドシートです。
Excelシートについては、多くの企業でMicrosoft Officeが導入されていることから、すぐに無料で使用できます。また、Googleスプレッドシートも同様に無料で利用できます。
URLをチームメンバーに伝えることで簡単にシートの共有が可能で、さらに同時編集もできます。そのため、チームメンバーがオフィス以外の場所で働いても、課題管理表を最新の状態に保つことができるのです。
さらに便利なツールが、プロジェクト管理ツールです。プロジェクト管理ツールでは、スケジュール管理・タスク管理・進捗管理・ガントチャート作成などの機能が搭載されており、情報の一元化とリアルタイムでの進捗把握が可能です。
チャット機能も付帯しているツールも多く、チームメンバー間での情報共有も活発になることが期待できます。リマインダー機能もあれば、期限が近いタスクを知らせてくれるので、対応漏れを防ぐことができます。
関連記事:ガントチャートが使いやすいプロジェクト管理ツールおすすめ16選!活用のメリットや選び方を徹底解説!
プロジェクト管理における課題管理のポイント
プロジェクト管理をスムーズに行うための課題管理は、ポイントを押さえることが必要です。
ここでは、プロジェクト管理における課題管理のポイントを、以下の3点から解説します。
- 漏れなく把握する
- 対応方法を明確にする
- 課題解決の条件を明確にする
1つずつ見ていきましょう。
漏れなく把握する
課題管理のポイントの1つ目は、漏れなく把握することです。
課題管理を行うときは基本的に、発生した課題はすべて課題管理表に書き出すことをルール化するとよいでしょう。発生した課題によって規模・影響度はさまざまです。
しかし、現時点で小規模な課題であっても、プロジェクトが進行するにつれて課題の影響度が大きくなることも考えられます。
そのため、たとえ影響度は低いと思い込んでしまうような課題であっても、発生した時点で課題管理表を通して共有し、課題解決の優先順位などの策定をする必要があるのです。
対応方法を明確にする
課題管理のポイントの2つ目は、対応方法を明確にすることです。
課題管理においては担当者が1人で解決できるよう、課題を細分化したうえで解決に必要なタスク・責任・期限を明確にする必要があります。
タスクをメンバーに割り振ったら、スケジュール内で対応できるように、対応方法を明確にする必要があります。対応方法が明確であれば、発生した課題に対する解決がスムーズに進むことが期待できます。
また、課題が解決できた場合、その方法が次のプロジェクトのときに、重要なナレッジになる可能性があります。
課題解決の条件を明確にする
課題管理のポイントの3つ目は、課題解決の条件を明確にすることです。
課題解決については「このポイントが達成できたら課題解決とする」「このような状態になったら課題が解決できたと判断する」というような、判断基準を定めておくことが重要です。
課題解決したことを明確にするための条件が定まっていないと、チームのメンバー間に認識のズレが生じ、トラブルに発展することが懸念されます。
課題が発生したら、対応方法を決めると同時に完了条件も定めておきましょう。
関連記事:プロジェクト管理が失敗してしまうのはなぜ?6つの原因と改善方法を徹底解説
まとめ
今回は、プロジェクト管理で重要な課題管理の基本概要・「PMBOK」での課題管理・課題管理表とは何か・課題管理のポイントを解説しました。
課題管理は、プロジェクト達成に向けた問題解決・業務改善のために欠かせません。課題管理表を作成し詳細な項目まで把握しながら管理すると良いでしょう。
PMBOKは、プロジェクトマネジメントの方法が体系的にまとめてあるため、ガイドブックとして参考にすることもおすすめです。自社に適した手法を検討するようにしましょう。
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