しかし、顧客管理に取り組む中で「情報が点在していて分析ができない」「顧客の最新情報が、すぐ手に入らない」といった課題に直面したことがある人も多いでしょう。
顧客との継続的な関係を築く上では、顧客管理で起こる課題を解決していくことは避けて通れません。
そこで今回は、顧客管理で起こりがちな課題と、課題解決のためのポイントを解説します。
【目次】
顧客管理でよくある5つの課題
顧客管理で起こりがちな課題には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。ここでは、顧客管理でよくある課題について、以下の5点から解説していきます。
- 担当者ごとにバラバラに情報管理している
- 顧客のステータス判断が統一されていない
- タイムリーに情報が把握できない
- 情報の集計に毎回時間がかかる
- 担当の引き継ぎがうまくいかない
1つずつ見ていきましょう。
担当者ごとにバラバラに情報管理している
顧客管理でよくある課題の1つ目は、担当者ごとにバラバラに情報管理していることです。
部署や担当者ごとに顧客情報を管理していると、各々が管理しやすい方法で管理してしまうため、情報を統合しづらくなります。
近年のテレワークの普及により、データの保存場所がバラバラになっているというケースもあるでしょう。担当者ごとに情報管理をしていると、情報の最適化ができない可能性もあるため注意が必要です。
顧客のステータス判断が統一されていない
顧客管理でよくある課題の2つ目は、顧客のステータス判断が統一されていないことです。
例えば、ある担当者は特定の顧客をホットリード(見込み客)と判断して積極的にアプローチをしていたが、別の担当者は同じ顧客をまだ潜在的なリードと判断して消極的に対応する、といった対応のズレが生じてしまいます。
これは、顧客の進捗具合を会社として定量化できていないことが原因です。
具体的な指標や評価基準がないと、各担当者が独自の感覚や経験に基づいて顧客のステータスを判断してしまいます。
結果として、会社全体での一貫した対応が困難になり、顧客体験のブレやミスマッチが生じるリスクが高まります。顧客の進捗状況を定量的に捉える共通の基準や指標を設定することで、統一した対応を取っていく必要があるでしょう。
タイムリーに情報が把握できない
顧客管理でよくある課題の3つ目は、タイムリーに情報が把握できないことです。
顧客情報は、最新情報に更新していかなければ、正しい現状を掴めません。例えば、顧客との交渉状況や要望などを入力しておかなければ、社内での情報共有も難しくなってしまいます。
また、急ぎのときに他の従業員が代わりに担当しても最適な提案ができず、お客様に不快な思いをさせてしまう恐れがあります。
部署もしくは会社全体で正しい現状を掴むためにも、最新情報の共有は重要です。
情報の集計に毎回時間がかかる
顧客管理でよくある課題の4つ目は、情報の集計に毎回時間がかかることです。
情報を集計するときにデータを管理するフォーマットが異なると、相当な時間を費やしてしまいます。
例えば、5つの部署の顧客情報を集計した場合、各フォーマットが異なると、まとめる作業に時間がかかり、他の業務に支障をきたす恐れがあります。
また、一からデータを作り直さないといけない状況もあるでしょう。
担当の引き継ぎがうまくいかない
顧客管理でよくある課題の5つ目は、担当の引き継ぎがうまくいかないことです。
前任の担当者が独自の管理方法で顧客管理をしている場合、そのデータを活用できない恐れがあります。
また、仮に前任の担当者が顧客データを管理していなければ、有効に活用もできません。引き継ぎの負担を減らすためにも、誰が見ても分かりやすく情報を管理しておくことが大切です。
関連記事:CRMのデメリットは?メリットと導入ステップも解説
顧客管理で解決できる課題とは?
業務に顧客管理(CRM)を導入することで、今まで抱えていた問題を解決できるケースがあります。ここでは、顧客管理(CRM)で解決できる課題について、以下の3点から解説していきます。
- 顧客情報の一元化
- 顧客情報の分析
- 業務の効率化
1つずつ見ていきましょう。
顧客情報の一元化
顧客管理(CRM)で解決できる課題の1つ目は、顧客情報の一元化です。CRMにより、部署ごとの垣根を越えて情報を共有できます。
CRMを導入することで部署やチームごとに管理していたデータを一元化でき、スムーズに共有できます。
また、同じデータの重複を防ぎ、無駄を省く効果も期待できます。顧客情報を一か所でまとめることで、複数の部署が最新の顧客情報にアクセスでき、迅速かつ正確な対応ができるでしょう。
関連記事:顧客管理データベースの作り方!ExcelとCRMのメリット・デメリットと活用のコツも解説
顧客情報の分析
顧客管理(CRM)で解決できる課題の2つ目は、顧客情報の分析です。顧客の属性・氏名・好みや購買記録などの情報を統一して管理することで、より高度な分析を行えます。
顧客の要望を把握したい場合、顧客管理(CRM)で管理していると素早く分析でき、新たなビジネス戦略に活かすことができます。
また、自社の強みや弱みも把握でき、業務の改善にもつながります。顧客情報の分析がしやすくなることで、ターゲットに合わせたマーケティング戦略や次なる売上向上策も立案できるでしょう。
関連記事:顧客管理の分析でビジネスを加速!基礎知識から戦略への応用を徹底解説
業務の効率化
顧客管理(CRM)で解決できる課題の3つ目は、業務の効率化が挙げられます。CRMでは過去から現在までの顧客の情報を管理・分析できるため、新たな提案が行いやすくなります。
定期的に連絡する必要のある顧客がいた場合、データを把握することで適切な対応が行えます。さらに、フォローが必要な場合はデータを確認しながら、スムーズに連絡できるでしょう。
新たな商品の提案を含めて顧客に対し、ベストなタイミングでコンタクトが取りやすくなります。
顧客管理の活用で発生する課題
自社で顧客管理(CRM)を導入するときには、注意すべき点があります。ここでは、顧客管理(CRM)の活用で発生する課題について、以下の3点から解説していきます。
- 必要な機能が足りない
- 従業員が使わない
- 想定よりもコストが高い
1つずつ見ていきましょう。
必要な機能が足りない
顧客管理(CRM)の活用で発生する課題の1つ目は、必要な機能が足りないことです。
特に、導入目的が明確になっていない中でCRMを導入すると、期待していた分析や管理が行えない可能性があります。
例えば、特定の業界や業態にあわせた情報管理の仕方にカスタマイズしようと思っても、汎用的なCRMでは対応できないことも珍しくありません。
そのため、CRMの導入前に調査をして、自社のニーズにあったCRMの選定が重要です。
関連記事:CRMの重要性とは?機能の詳細から導入する必要があるかなど詳しく解説
従業員が使わない
顧客管理(CRM)の活用で発生する課題の2つ目は、従業員が使わないことです。
操作が複雑で直感的ではないインターフェースのシステムを選んだ場合、使われなくなる可能性があります。日常業務にスムーズに組み込めないツールは、従業員にとって負担となるためです。
また、CRMを導入するときに十分な研修や勉強会などを行わなければ、新しいシステムの使い方や使用のメリットを、従業員は明確に把握できません。
結果として、CRMを使わなくなり、これまでのツールを使ってしまうことが考えられます。
従業員の使用を促すためには、使い勝手の良いCRMを選び、研修期間を設け、日常業務に組み込んでいく必要があるでしょう。
想定よりもコストが高い
顧客管理(CRM)の活用で発生する課題の3つ目は、想定よりもコストが高いことです。
CRMのシステム導入時にはライセンス費用やセットアップ費用が発生します。また、初期費用以外にも、カスタマイズなどにも費用がかかります。
さらに、 CRMは定期的にアップデートやメンテナンスをする必要があるため、運用コストが想定していたよりも高くなることも少なくありません。
トラブル時のサポートや新しい機能の追加にも、コストがかかることが考えられます。導入や運用にかかるコストが予想以上に高くなると、CRMの導入が企業の経済的な負担となるリスクが高まります。
そのため、CRMを導入するときには、初期から長期にわたるコストをしっかりと評価・予測し、予算を適切に確保しておく必要があるでしょう。
顧客管理の導入における課題を解決するポイント
自社で顧客管理(CRM)を導入するためには、事前に明確にしておくべきポイントがあります。ここでは、顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントについて、以下の5点から解説していきます。
- 活用目的を明確にする
- 顧客管理システムの評価指標を決める
- 必要な機能を見極める
- システムの導入前にトライアルする
- 運用体制を整える
1つずつ見ていきましょう。
活用目的を明確にする
顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントの1つ目は、活用目的を明確にすることです。
システムを導入する前に目的を明確にすることで、自社にあったツールを選択できます。例えば、会社の抱えている問題を解決するために話し合いを行い、どのようなデータを集めるべきなのか決めておきます。
さらに、集めるデータをどのようなプロジェクトに活かすべきなのか、方向性を定めます。CRMを導入する前に、活用目的を明確にしましょう。
顧客管理システムの評価指標を決める
顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントの2つ目は、顧客管理システムの評価指標を決めることです。
指標を決めることで、必要なデータを集めて活用することができます。例えば、多くの顧客の情報を管理したい場合、システムで顧客数やリピート率など効果を測定できる指標を定めておきます。
具体的なデータを集計すると、新たな提案が行いやすくなるでしょう。
必要な機能を見極める
顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントの3つ目は、必要な機能を見極めることです。
自社にとって必要な機能を見定めることで、より効率的に活用できます。例えば、顧客管理(CRM)を導入する場合、必要な機能をリストアップし、自社にあったシステムを絞ります。
さらに、複数のシステムで悩んでいる場合は実際に問い合わせを行い、より自社にあったCRMを選ぶことが大切です。
一度、複数人で話し合いを行い、必要な機能を議論した上で見極めましょう。
関連記事:顧客管理はどのような要件に注意して導入すべき?機能と運用に分けてポイントを解説
システムの導入前にトライアルする
顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントの4つ目は、システムの導入前にトライアルすることです。
実際にシステムを使用することで、導入後に失敗するリスクを低減できます。例えば、気になるシステムがある場合、トライアルを活用し、機能や操作を確認します。
さらに、トライアル中に疑問に感じたことをまとめ、導入前に解決しておくことも大切です。CRMを導入するときには、無料トライアルを試してみるのもよいでしょう。
運用体制を整える
顧客管理(CRM)導入における課題を解決するポイントの5つ目は、運用体制を整えることです。
顧客データの収集・分析から戦略の立案、PDCAサイクルの実行までの一連の運用をする中で、すでに自社で使用しているシステムがあれば、そのシステムとCRMが連携できるのかを確認しておきましょう。
また、CRMを運用していくには、従業員の理解と協力が欠かせません。従業員の理解を得るためにも、研修や勉強会を実施して、従業員への教育を継続的に行うことが重要です。
CRMの導入は、適切な運用体制を整えることで、CRMの活用価値を最大限に引き出すことができます。
CRMツールを単にソフトウェアとして導入するのでなく、有効活用するために運用体制を整えておきましょう。
関連記事:CRMで解決できる課題とは?導入しても効果がでない場合や対応方法も解説
まとめ
今回は、顧客管理で起こりがちな課題と、課題解決のためのポイントを解説しました。顧客管理(CRM)は自社の業務を効率的に進めるために活用できるシステムです。
今後、導入を検討している担当者は、事前に自社の問題点をピックアップしておきましょう。
さらに、自社の問題を解決するシステムを絞り、トライアルなどを利用して実践するのもおすすめです。自社に合ったシステムを導入し、効率的に業務を進めていきましょう。
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