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ペーパレス化とは?メリット・デメリットと進め方を解説
ペーパレス化とは?メリット・デメリットと進め方を解説
近年、多くの企業が「ペーパレス化」に注目しています。しかし、実際に取り組もうとすると、どのように進めればよいのか、ペーパレス化で得られるメリットは具体的に何かなどの疑問を抱える方も少なくないでしょう。円滑にペーパレス化を進めるためには、事前にメリット・デメリットや進め方をきちんと理解しておくことが重要です。

そこで今回は、ペーパレス化のメリット・デメリットと進め方を解説します。

【目次】

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ペーパレス化とは

ペーパレス化とは

ここでは、ペーパレス化について、以下の2点を解説します。

  • ペーパレス化とは
  • ペーパレス化の現状

1つずつ見ていきましょう。

ペーパレス化とは

ペーパレス化とは、紙を使わずに情報をデジタル形式で扱えるようにすることです。「ペーパーレス」と呼ばれることもあります。これまで紙で管理していた各種文書や資料を電子化して、コスト削減や業務効率化を目的とするものです。

例えば、紙の文書をスキャンしてPDFなどの形式で保存することもペーパレス化の取り組みの1つです。また、文書管理システムの導入やワークフローのデジタル化などによって紙の文書を作成しないこともペーパレス化の方法の1つです。

ペーパレス化を実現するためには、同時に従業員の意識改革や組織内の業務プロセスの変革が求められます。

ペーパレス化の現状

ペーパーロジック株式会社が2024年に行った「ペーパーレス化に伴う2024年度予算に関する調査」 によれば、東京に拠点を持つ企業の経営者・役員107名のうちおよそ6割がペーパレス化を推進したと回答しています。「積極的に取り組んだ」が11.2%と「ある程度行った」が43.9%です。

さらに「積極的に取り組んだ」または「ある程度行った」と回答した方にペーパレス化を促進するために導入しているシステムを尋ねたところ、52.6%が「電子ワークフロー」と回答しました。

このことから多くの企業においてペーパレス化に向けた取り組みが進められており、特に稟議書や申請書などの企業内文書をデジタル化するためにワークフローシステムを導入していることが分かります。

ペーパレス化のメリット

ペーパレス化のメリット

ここでは、ペーパレス化のメリットについて、以下の5点を解説します。

  • コスト削減につながる
  • 必要な資料をすぐに探し出せる
  • 場所や時間に捉われずに閲覧できる
  • 業務の効率化が図れる
  • 文書のセキュリティを強化できる

1つずつ見ていきましょう。

コスト削減につながる

ペーパレス化のメリットの1つ目は、コスト削減につながることです。

資料を紙で印刷するためには、紙代やインク代がかかります。一回にかかる出費は少額かもしれませんが、大人数の従業員が日々の業務で印刷を繰り返すと大きなコストとなります。ペーパレス化により単純に出費を減らせるだけでなく、会議資料を準備するための時間や労力も削減可能です。

関連記事:コストを賢く削減する具体的な方法と手順・注意点を徹底解説!

必要な資料をすぐに探し出せる

ペーパレス化のメリットの2つ目は、必要な資料をすぐに探し出せることです。

保管している書類が増えれば増えるほど、必要な書類がどこに保管されているのか分かりにくくなり、探すのに時間がかかるはずです。しかし、ペーパレス化して文書を電子管理しておけば、PCを使って容易にデータを整理できます。また、検索機能を使って必要な書類をすぐに探し出すことができ、作業時間の削減が期待できます。

関連記事:文書管理の電子化とは?実施方法からメリット・注意点まで詳しく解説

場所や時間に捉われずに閲覧できる

ペーパレス化のメリットの3つ目は、場所や時間に捉われずに閲覧できることです。

紙の資料は、手元にない限り閲覧できません。しかし、デジタル資料は、クラウド上に保存しておくことで、時間や場所を問わずにアクセス可能です。情報共有する場合も、メールにデータファイルを添付して簡単に送れるため、直接相手に渡したり郵送したりする必要はありません。

業務の効率化が図れる

ペーパレス化のメリットの4つ目は、業務の効率化が図れることです。

例えば、稟議書など上長や役員の承認が必要な書類をペーパレス化することで、書類の回覧・承認プロセスをデータ上で行えるようになります。文書をスムーズかつ迅速に回覧できれば、作業の遅延も起こりにくくなります。また、どの段階でどの文書が停滞しているかが一目で把握できるため、ボトルネックになっている箇所を特定することも可能です。

さらに、電子文書は複数のスタッフ間でリアルタイムで共有可能なため、チームワークの強化と情報共有の効率化が図れます。そして、紙の文書に比べてデジタルフォーマットはデータのバックアップを取りやすく、万一消失した場合でも復元しやすいというメリットがあります。

関連記事:文書管理とワークフローで活躍するシステムおすすめ6選!できることの違いや効率的な運用のコツも解説

文書のセキュリティを強化できる

ペーパレス化のメリットの5つ目は、文書のセキュリティを強化できることです。

デジタル文書は、アクセス制御・パスワード保護・暗号化技術を用いて保護できます。そのため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。また、デジタル文書には、誰がいつどの文書を閲覧・編集したかのログを自動で記録する機能を付加できるため、文書の利用履歴管理も容易です。さらに、バックアップも容易にできるため、災害時などに重要文書を迅速に復旧できます。このように、ペーパレス化は、企業の重要な情報資産を守る上で欠かせない役割を果たします。

関連記事:文書管理のセキュリティを高めるには?5つのトラブルと4つの対策を紹介

ペーパレス化のデメリット

ペーパレス化のデメリット

ここでは、ペーパレス化のデメリットについて、以下の4点を解説します。

  • 視認性が落ちることがある
  • ITリテラシーが求められる
  • コストがかかる
  • 機器の故障の影響を受ける

1つずつ見ていきましょう。

視認性が落ちることがある

ペーパレス化のデメリットの1つ目は、視認性が落ちることがあることです。

デジタル文書を拡大して見ることは可能ですが、電子データにすると全体の構造がつかみにくくなる場合があります。特に、大きな図面や小さい文字が多用された資料は、デジタル化に適さない場合があります。資料の閲覧時に画面を拡大すると、表示領域が限られてしまうためです。

また、使用できるデバイスが1つしかない場合は、複数の文書を同時に比較するのが難しく、結果として作業効率が下がることもあります。

ITリテラシーが求められる

ペーパレス化のデメリットの2つ目は、ITリテラシーが求められることです。

デジタルデータを適切に扱うためには、ユーザーである従業員がITスキルを持っている必要があります。基本的な端末操作が難しい従業員の場合は、デジタルデータの扱いが逆に不便と感じられるかもしれません。また、ITスキルが乏しい従業員がデジタル化された機密情報を操作するときには、セキュリティの脅威が高まる恐れもあります。場合によっては、ITリテラシーを高めるための教育や研修を行う必要があるでしょう。

コストがかかる

ペーパレス化のデメリットの3つ目は、コストがかかることです。

ペーパレス化には印刷費用を抑える利点があるものの、導入時に文書のデジタル化費用がかかります。紙で作成された資料をデジタル化する場合、時間と労力もかかるでしょう。また、文書管理システムやワークフローシステムの導入にかかるコストもあります。

機器の故障の影響を受ける

ペーパレス化のデメリットの4つ目は、機器の故障の影響を受けることです。

デジタル文書の作成・閲覧の際はPCや他の電子機器を使いますが、機器が壊れるリスクもあり得ます。万一の故障に備えて、重要なデータは定期的にバックアップを取っておきましょう。また、バックアップにトラブルがあれば多くの重要な情報を一度に失うことも考えられます。したがって、常に予期せぬことが起こるかもしれないという心構えを持って、データを保存しておくことが重要です。

ペーパレス化の進め方

ペーパレス化の進め方

ここでは、ペーパレス化の進め方について、以下の5点を解説します。

  • 目的を明確にする
  • 対象書類を決める
  • 運用ルールを策定する
  • システムを選定する
  • 運用を開始する

1つずつ見ていきましょう。

目的を明確にする

ペーパレス化の進め方の1つ目は、目的を明確にすることです。

ペーパレス化は、従業員が一体となって取り組むべき課題であるため、明確な目的を定めて周知していく必要があります。漠然とペーパレス化を目指すのではなく、コスト削減や業務効率化、環境負荷の軽減、データセキュリティの強化、などの具体的な目的を明確に示しましょう。

対象書類を決める

ペーパレス化の進め方の2つ目は、対象書類を決めることです。

対象書類の選定作業は、作業範囲や優先順位を決めるために不可欠です。すべての書類を一度にデジタル化するのは現実的ではありません。最も影響が大きい、または最も効率化しすい文書から始めることをおすすめします。

例えば、頻繁に使われる書類や法的に保存が定められている書類などです。関係部署や従業員と協議しながら、どの書類がペーパーレス化によって最大の効果をもたらすかを検討しましょう。

運用ルールを策定する

ペーパレス化の進め方の3つ目は、運用ルールを策定することです。

デジタル化された書類の管理方法やアクセス権限・保管期間・セキュリティ対策などを運用ルールとして定めていきます。運用ルールの策定は、電子文書の効率的かつ安全な運用を行っていくためには不可欠です。例えば、以下のようなルールがあります。

  • 重要文書に対するアクセス権限を決める
  • デジタル文書にバックアップと暗号化を適用する
  • 文書のバージョン管理を徹底する
  • 不要になった文書は完全にデータを消去する

情報漏洩などのリスクを最小限に抑えるためも、運用ルールを策定しておくことをおすすめします。

関連記事:文書管理のルール作りを徹底解説!作成のポイントや必須項目を解説

システムを選定する

ペーパレス化の進め方の4つ目は、システムを選定することです。

例えば、文書管理システムを導入すれば、書類のスキャン・インデックス付け・検索・セキュリティ管理を一貫して行えます。また、申請書や稟議書を電子化するワークフローシステムを導入する手もあります。

ペーパレス化に役立つシステムを選ぶときは、操作性・セキュリティ・コストなどを考慮する必要があります。適切なシステムを選ぶことで、ペーパレス化の効果を最大限に活かし、業務の効率化が実現するでしょう。

関連記事:文書管理システムのおすすめ13選を紹介!ツールを活用してスムーズに業務を進めよう

運用を開始する

ペーパレス化の進め方の5つ目は、運用を開始することです。

計画段階から、実際の導入・運用へと移行するプロセスです。計画に基づき、具体的なペーパレス化の取り組みを日常業務に組み込んでいきます。新しいシステムやツールの運用を開始するときは、まず従業員に教育や研修を行い、サポートを行っていきましょう。

まとめ

まとめ

今回は、ペーパレス化のメリット・デメリットと進め方を解説しました。ペーパレス化には、印刷コストの削減・業務効率化・文書のセキュリティ強化などのメリットがあります。一方で、コストがかかることや機器の故障の影響を受けるといった点に注意する必要があります。

ペーパレス化を進めるには、目的を明確にして適切なツールを活用していくことが重要です。本記事を参考に、ペーパレス化に役立つシステムやツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

5分でわかる2023年ビジネスコミュニケーション利用実態調査

 

5分でわかる2023年ビジネスコミュニケーション利用実態調査

 

この資料はビジネスコミュニケーションツールの導入状況はもちろん、ツール利用者の不満点や課題といった生の声を確認できることで、ツール選定時に注意すべきポイントを発見できる資料となっています。
これから導入を検討される方はもちろん、導入後、ツール定着率が上がらないなど運用にお困りの方も必見の資料です。

 

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CrewWorks編集部
この記事を書いた人
CrewWorks編集部
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