しかし、リソース管理は具体的にどのような手順で進めるのか、リソースのどの項目を管理すればいいのかと迷ってしまうプロジェクト管理者も少なくありません。
そこで今回は、プロジェクト管理におけるリソース管理のメリット・管理項目・リソース管理のポイントを解説します。
【目次】
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プロジェクトにおけるリソース管理とは
プロジェクト管理におけるリソース管理とは、企業が持つ経営資源を事前に調整し、計画的かつ効率的に活用するための管理する方法を指します。
管理するリソース項目には、人的資源(人材)や物的資源(資金)、情報資源(データ)などが挙げられます。
プロジェクトの目標を達成し利益を最大化するためには、限られたリソースを有効活用していくことが大切です。チーム編成や資材の使用計画・割り当て・調整といった管理は、プロジェクト管理における重要な業務の一部です。
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プロジェクトでリソース管理をするメリット
プロジェクト管理でリソース管理をすると、進捗把握や最適化などのメリットがあります。ここでは、プロジェクト管理でリソース管理をするメリットとして、以下の4点を解説します。
- プロジェクトの全体が把握できる
- リソースの最適化が行える
- リスクを最小限に抑えられる
- 実現可能な目標設定が行える
1つずつ見ていきましょう。
プロジェクトの全体が把握できる
プロジェクト管理でリソース管理をするメリットの1つ目は、プロジェクトの全体が把握できることです。プロジェクトの全体像が把握できれば、進捗状況やリソースの配分を効果的に管理できます。
プロジェクト全体の進捗状況が明確になると、問題が発生した場合に原因を分析し迅速に対応することも可能です。特に、複数のプロジェクトを並行しているときに、プロジェクト全体の把握は効果を発揮します。
リソースの最適化が行える
プロジェクト管理でリソース管理をするメリットの2つ目は、リソースの最適化が行えることです。リソースを管理していくことで、社内の限られたリソースの中で人員や費用、時間などを適切に振り分けることができます。
例えば、複数のタスクを並行して進行するときに、各タスクの優先順位や作業期間を明確にすることで、リソースの再配分が容易になります。個々のタスクの納期が明確になることで、プロジェクト全体の納期遵守がしやすくなり、時間を無駄なく使えるようになるでしょう。
限られたリソースを最適化し、稼働率を高めて効率的に業務を進めていくことは、プロジェクトの成功につながります。
リスクを最小限に抑えられる
プロジェクト管理でリソース管理をするメリットの3つ目は、リスクを最小限に抑えられることです。各プロセスに必要なリソースを分配すると、リスクを回避しながら業務を進めることができます。
例えば、リソースの最適化により、将来のコスト増加を予測し、予算オーバーのリスクを最小限に抑えることが可能です。
また、プロジェクト進行では、リソースに適した振り分けを行っていたとしても、予期せぬトラブルが起こることは珍しくありません。
リソース管理をすることで、トラブルにも迅速に対応できるようになります。人員や費用など不足するリスクを察知できれば、改善策を講じやすくなるでしょう。
関連記事:プロジェクト管理のカギを握る「リスク管理」を徹底解説!
実現可能な目標設定が行える
プロジェクト管理でリソース管理をするメリットの4つ目は、実現可能な目標設定が行えることです。
利用可能なリソース(人員・時間・予算など)を明確に把握することで、実現可能なプロジェクトの目標と期限を設定し、各チームに具体的なタスクと期限を割り当てることができます。
リソース管理により、資源不足や人員不足による業務負荷、もしくは過剰が発生した場合には、再配分を行うことも可能です。目標の設定や改善が容易になり、効率的にプロジェクトを進められるでしょう。
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プロジェクトでのリソース管理項目
プロジェクト管理では、管理すべきリソースにはいくつかの項目があります。ここでは、プロジェクト管理でのリソース管理項目として、以下の5点を解説します。
- 人的リソース
- 物的リソース
- 運営資金
- 時間
- 情報
関連記事:プロジェクト管理に必要な項目を徹底解説!PMBOKを基本から紹介
1つずつ見ていきましょう。
人的リソース
プロジェクト管理でのリソース管理項目の1つ目は、人的リソースです。人的リソースは、プロジェクトに必要なリソースの中で、最も重要な項目です。人的リソースの管理で行うことは、メンバーの確保と編成です。
プロジェクトの目標を達成するために必要なスキルやノウハウと専門知識を持つメンバーを選択し、それぞれに最適な役割と業務を過不足のないように割り当てていきます。
また、チームメンバーが互いに信頼し、情報交換を行い、互いに協力できるよう、チームを作る活動やモチベーション向上策を実施していくことも大切です。
物的リソース
プロジェクト管理でのリソース管理項目の2つ目は、物的リソースです。物的リソースには、資材・設備・機器・ツールなどさまざまなものが挙げられます。物的リソースは、プロジェクトの目標を達成するためには必要不可欠です。
物的リソースを事前に確保し、計画的に使用し、管理していくことが重要です。物的リソース管理は、プロジェクトの効率やコスト管理に大きな影響を与えます。
運営資金
プロジェクト管理でのリソース管理項目の3つ目は、運営資金です。運営資金とは、プロジェクトの実施に必要な費用や予算を指します。運営資金には、人件費や機器・材料にかかる費用、外部サービスの費用などが例として挙げられます。
プロジェクトの開始前に、運営資金の予算を決め、各部門やタスクに割り当てる必要があります。予算を決めておくことで、プロジェクトの進行中に資金不足や予算オーバーが発生するリスクを最小限に抑えられるでしょう。
また、プロジェクトの進行中の変更やトラブルに柔軟に対応するために、運営資金の再配分や、追加予算の承認プロセスを明確にしておくことも大切です。
時間
プロジェクト管理でのリソース管理項目の4つ目は、時間です。プロジェクトは期限が設けられていることが多いため、効率的にプロジェクトを遂行するためには、時間の管理は欠かせません。
どれだけ工数がかかるのか把握したうえで、各タスクやプロセスの期限を計画段階で策定・遵守することは、プロジェクト全体の遅延を防ぐことに繋がります。
また、期限が決まればタスクの優先順位もつけやすくなるため、リソースを配分しやすくなるでしょう。
そして、プロジェクトの進行中に、各タスクの進捗状況をみれば、スケジュール通りに進んでいるかどうかの判断ができます。進捗が遅れている場合は、対策を講じてスケジュールの遅延を最小限に抑えていくことも可能です。
情報
プロジェクト管理でのリソース管理項目の5つ目は、情報です。適切な情報管理を行うことで、プロジェクト全体の効率や品質の向上が見込めます。
プロジェクトに関連する情報を効率的に収集し、整理していくことが大切です。情報は、プロジェクトの進捗状況、リスクや課題、チームのパフォーマンスなど、さまざまな要素に影響を与えます。そして、得られた情報をメンバーに共有することも大切です。
また、プロジェクト進行中に扱う情報には、取引先・顧客・自社の知的財産やビジネス機密が含まれることも少なくありません。そのため、情報の保護は必要不可欠です。
情報漏えい対策として、アクセス権限の設定や情報セキュリティ対策などを実施する必要があるでしょう。
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プロジェクトにおけるリソース管理の4つのポイント
リソース管理を適切に行うには、何を重視すればよいのでしょうか。ここでは、プロジェクト管理におけるリソース管理のポイントとして、以下の4点を解説します。
- 人材を把握する
- リソースの優先順位を決める
- メンバー間のコミュニケーションを促進する
- 効率化を行う
1つずつ見ていきましょう。
人材を把握する
リソース管理の1つ目のポイントは、人材を把握することです。プロジェクトに関わるメンバーの特性や能力を最大限に活かすためには、人材をよく把握しておきましょう。
従業員の経験や技能、専門知識を把握しなければ、各タスクや役割に適切な人員を割り当てられません。適切なメンバー編成ができれば、タスクの効率化や品質向上が見込めます。
プロジェクトにどのようなメンバーがいるのかを把握し、各個人の能力を最大限に引き出していきましょう。
リソースの優先順位を決める
リソース管理の2つ目のポイントは、リソースの優先順位を決めることです。プロジェクト管理では、限られたリソース(人材・時間・資金・情報など)を適切に活用していくことが大切です。
リソースの優先順位を決めることで、プロジェクトの目標を達成するための重要なタスクに、リソースを集中的に割り当てることができます。優先順位をつけるときには、タスクの重要度と緊急度に基づいてアサインしましょう。
他のタスクに影響を与える緊急性の高いタスクには、優先的に各資源をアサインしていきます。
メンバー間のコミュニケーションを促進する
リソース管理の3つ目のポイントは、メンバー間のコミュニケーションを促進することです。コミュニケーションが円滑に行われていれば、情報の共有や意思疎通がスムーズになり、プロジェクトの生産性の向上が期待できます。
また、プロジェクトのメンバー間でコミュニケーションが取れていると、お互いに助け合いながら業務を遂行することが可能です。また、トラブルが起きたときにもフォローしやすく、プロジェクトの遅延や品質低下などのリスクを低減できるでしょう。
日頃から、チームメンバー同士もしくは企業間で、情報共有できる場を設けておくことも重要です。
関連記事:プロジェクト管理のコミュニケーションを徹底解説!進め方・成功ポイント・5Cについても詳しく紹介
効率化を行う
リソース管理の4つ目のポイントは、効率化を行うことです。リソースの効率化は、コストの削減やスケジュールの短縮、品質向上にもつながります。
人員を過剰に配置してしまった場合や、材料を余分に使ってしまった場合などは、人件費や資源費といったコストがかさんでしまいかねません。
また、リソースを最適化することで、プロジェクトのスケジュール短縮も見込めます。人員を適切に配置し、効率的な設備を使うことで、早期タスク完了も期待できるでしょう。
また、プロジェクトにかかわるリソースを一元管理できるシステムとして、クラウド型プロジェクト管理ツールの活用を検討しても良いでしょう。
工数管理に利用できるガントチャート作成機能やタスク管理機能が搭載されており、プロジェクトの進捗状況が可視化でき、効率化に貢献します。
関連記事:ガントチャートが使いやすいプロジェクト管理ツールおすすめ16選!活用のメリットや選び方を徹底解説!
まとめ
今回は、プロジェクト管理におけるリソース管理のメリット・管理項目・リソース管理のポイントを解説しました。
リソース管理を適切に行うことは、プロジェクト全体の把握や、生産性や効率性の向上にもつながります。リソースの管理は、プロジェクトの計画段階から進行中、最終段階まで常に行っていく必要があります。
本記事で紹介した内容を、ご自身のリソース管理に役立てて、手掛けているプロジェクトを成功させましょう。
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