そこで今回は、システム開発でのプロジェクト管理の基本概要・目的・管理方法・管理業務・円滑に進めるポイントを解説します。
【目次】
合わせて読みたい
- 異動や退職によるナレッジの引き継ぎがうまくいかない
- 必要なナレッジにすぐにアクセスできない
- タスク完了までの情報が分散していて、一つのナレッジとして見れない
上記のお悩みを解決するヒントがここにあります!
⇒ナレッジ活用における課題と最大限にナレッジ活用するためのツールの選び方とは?
システム開発でのプロジェクト管理とは?
プロジェクトとは、サービス・製品開発の機能要求を満たすための計画・組織のことをいいます。プロジェクト管理は納期・予算・人員という制限がある中で、成果を達成させるよう計画・実行をするために必要な管理のことです。
システム開発のプロジェクトを成功させるためには、このようなリソースの有効活用が欠かせません。システム開発におけるプロジェクト管理では、プロジェクトを成功に導くためにチームのメンバーと顧客間の交渉・調整を行います。
システム開発は数ヶ月・数年という単位で行われることが少なくありません。そのため、入念な準備・進捗管理の徹底が成功につながるカギとなるのです。
システム開発でプロジェクト管理を任されるのは、「プロジェクトマネージャー」の役割を与えられた従業員です。プロジェクト全体を把握し、指揮をとっていくことになるため、重要なポジションといえます。
関連記事:プロジェクト管理とタスク管理の違いとは?手順の違いとポイントも解説
システム開発でプロジェクト管理を行う目的
システム開発でプロジェクト管理を行う目的を、以下の3点から解説します。
- プロジェクトの見える化
- 納期の順守
- 利益の最大化
1つずつ見ていきましょう。
プロジェクトの見える化
システム開発でプロジェクト管理を行う目的の1つ目は、プロジェクトの見える化です。プロジェクト管理では人員・予算・納期を管理していくことになります。
プロジェクト管理を行わずに成果を出そうとする場合、プロジェクトに関わる人員のタスクの状況がわからず、さらにコストが必要以上にかかっていないかの把握も難しくなります。
最悪の場合、納期に間に合わないということにもなるでしょう。プロジェクト管理ができていれば、その中でスケジュール管理をおこなうため、チームメンバーが抱えているタスクの進捗状況の把握がスムーズです。
また、課題の発生に気づくことができ、早い段階での対応が可能です。
納期の順守
システム開発でプロジェクト管理を行う目的の2つ目は、納期の順守です。
プロジェクト管理を行ううえで達成すべき目標の1つが納期の徹底です。プロジェクトでは、納期からさかのぼって必要なフェーズを設定し、スケジュールを組んでいきます。
そのため、あらかじめ設定した納期を守るためには、プロセスの進行がスムーズかを見ていく必要があります。
万が一、タスクが止まっていることがわかった場合、問題が発生しているのか・タスクが漏れているのかをすぐ突き止めることができます。そのうえで、メンバーにタスクを再度振り分けることで、納期を順守することが可能といえます。
利益の最大化
システム開発でプロジェクト管理を行う目的の3つ目は、利益の最大化です。
プロジェクト管理を行うと、プロジェクトの全体像だけでなく、詳細まですべてを把握できます。そのため、課題や改善すべき点も見える化されるため、その対応を行うことでプロジェクトからムダをはぶくことが可能です。
また、経験・知識をナレッジとともに蓄積していけば、次回以降のプロジェクトにも役立てることができます。プロジェクトの進行がスマートになりコストも抑えられることから、より高い利益を出せるようになるといえます。
システム開発におけるプロジェクト管理方法
システム開発では目的を持ってプロジェクト管理を行います。ここでは、実際にどのような方法を用いるのか、システム開発におけるプロジェクト管理方法として、以下の2つを解説します。
- ウォーターフォール
- アジャイル
1つずつ見ていきましょう。
ウォーターフォール
システム開発におけるプロジェクト管理方法の1つ目は、ウォーターフォールです。
ウォーターフォールとは、プロジェクトの立ち上げからシステム開発までのライフサイクルを細かく区分し、上流工程から下流工程へと進めていくもので、システム開発の現場ではもっともポピュラーな方法です。
メリットは、シンプルでわかりやすく、長期間にわたるプロジェクトに活用しやすいことです。デメリットは、プロジェクトの途中で仕様変更があった場合に、後戻りしづらく、対応に余分なコストがかかることが挙げられます。
近年ウォーターフォールは、ITの発展・顧客ニーズの変遷など、プロジェクトの途中に変動が起きやすい時代になったため、扱いにくい方法となりつつあります。
アジャイル
システム開発におけるプロジェクト管理方法の2つ目は、アジャイルです。
アジャイルには「すばやい」という意味があります。アジャイルとは、プロジェクトを「イテレーション」と呼ばれる1〜4週単位の中で、「設計」「開発」「テスト」「リリース」というフェーズを何回も繰り返すことで、プロジェクトを進める方法です。
短期間に区切られているので、途中の仕様変更にも対応しやすいといえます。一方で、ウォーターフォールに比べて全体の把握が難しくなるというデメリットがあります。そのため、長期間にわたるプロジェクトには向いていないといえます。
時代の変化に合わせやすいという特徴があることから、近年はアジャイルがトレンドになっています。
関連記事:プロジェクト管理の手法おすすめ11選!基礎から具体的な実施方法まで徹底解説
合わせて読みたい
- 異動や退職によるナレッジの引き継ぎがうまくいかない
- 必要なナレッジにすぐにアクセスできない
- タスク完了までの情報が分散していて、一つのナレッジとして見れない
上記のお悩みを解決するヒントがここにあります!
⇒ナレッジ活用における課題と最大限にナレッジ活用するためのツールの選び方とは?
システム開発でのプロジェクト管理業務
システム開発でのプロジェクト管理はステップに応じたタスクがあります。ここでは、システム開発でのプロジェクト管理業務を、以下の5つのステップから解説します。
- 要件定義
- 計画書の作成
- 環境構築
- 進捗確認
- 評価
1つずつ見ていきましょう。
要件定義
システム開発でのプロジェクト管理業務のSTEP1は、要件定義です。
システム開発における要件定義とは、顧客・メンバーなどの利害関係と打ち合わせにおいてシステム開発の目的・予算、納期などの要望のヒアリングをして、「何を(成果物)」「どうやって(人員・方法)」「いつまでに(納期)」開発するかという要素を決定していくことです。
プロジェクトをはじめるにあたり重要なポイントであり、顧客からの要望の実現可能性に対して対応し、万が一実現可能性が低い場合は、どこを落としどころにするのかも明確にします。
要件定義の時点で、顧客に対してどのような体制を組んで進めるか・スケジュールなどを伝えて、タスクがスムーズに進むように環境を整えていきます。
計画書の作成
システム開発でのプロジェクト管理業務のSTEP2は、計画書の作成です。
要件定義が固まったら、確実に実行できるよう具体的な計画に落とし込みます。必要な工程を細分化し、フェーズごとに、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)を定めます。
そして明確な役割分担ができるようスコープ(作業範囲)を決定します。要件定義・計画書の作成はプロジェクトの根幹を担うことになります。
プロジェクトをスタートさせる前工程で綿密な調整を行うことで、プロジェクトの成功率が高まるといえます。
環境構築
システム開発でのプロジェクト管理業務のSTEP3は、環境構築です。
プロジェクトがスタートできる段階まできたら、システム開発を行うチームメンバーの環境構築を進めます。メンバーの配置・スケジュール管理・システム開発に必要な機材・ソフトウェアの準備などを行います。
システム開発を行うためには、社内だけでなく社外の関係各所を巻き込みながら準備を整えていくため、マネジメントする立場であれば、チームの統括に加えて円滑なコミュニケーションが必要になります。
進捗確認
システム開発でのプロジェクト管理業務のSTEP4は、進捗確認です。
進捗確認は、納期の遅れを防ぐために重要になります。システム開発のプロジェクト管理では、あらかじめ立てたスケジュール通りに開発を進めますが、問題の発生などによりタスクが止まってしまう場合もあります。
そのため、定期的に進捗確認を行わないと、このようなことに気づけず納期に間に合わなくなるということが懸念されます。なお、ツールを導入することでより簡単に進捗確認ができるため、おすすめです。
評価
システム開発でのプロジェクト管理業務のSTEP5は、評価です。
システム開発が完了したらレビューを行います。その中で工数の超過が見られた場合は、その理由・設計変更の要因などから原因を徹底的に掘り下げていきます。これらの情報は次のプロジェクトに活かせるナレッジになります。
関連記事:プロジェクト管理で重要な体制とは?プロジェクト体制図とRACIチャートで明確にしよう
システム開発でのプロジェクト管理を円滑に進めるためのポイント
最後に、システム開発でのプロジェクト管理を円滑に進めるためのポイントを、以下の3点から解説します。
- 目的・目標を明確にする
- コミュニケーションを欠かさない
- ツールを導入する
1つずつ見ていきましょう。
目的・目標を明確にする
システム開発でのプロジェクト管理を円滑に進めるためのポイントの1つ目は、目的・目標を明確にすることです。
プロジェクト管理において目的・目標を明確にしないまま進めてしまうと、顧客からの要望に合う仕様の成果物が納品できないだけでなく、納期にも間に合わない可能性があります。
目的・目標は、全体を設定したうえで、各工程ごとに細かく刻むようにマイルストーンとして目的・目標を設けることがおすすめです。それぞれの工程で目的・目標を達成していけば、プロジェクトの成功につながります。
コミュニケーションを欠かさない
システム開発でのプロジェクト管理を円滑に進めるためのポイントの2つ目は、コミュニケーションを欠かさないことです。
プロジェクト管理において「スケジュール通り進んでいるか」「方向性に間違いはないか」などを確認する機会として重要なのが、進捗管理です。
進捗管理は、メンバーそれぞれが管理しているものをプロジェクト管理の担当者が総括します。ここでの情報交換を怠ると、プロジェクトが失敗してしまう懸念があります。
プロジェクトを行うメンバーから進捗報告を受けたり、ツールを使って常に最新の状況がわかるようにしたりしながらメンバーとコミュニケーションを取ることで、プロジェクトがスムーズに進みます。
ツールを導入する
システム開発でのプロジェクト管理を円滑に進めるためのポイントの3つ目は、ツールを導入することです。プロジェクト管理ツールを導入すれば、プロジェクト管理の一元化が可能です。
メンバーのタスク・スケジュールだけでなく、ファイル共有機能・チャット機能・Web会議機能があればコミュニケーション管理も1つのツールで完結できます。
また、さまざまなプロジェクトに参加している場合であっても、複数のプロジェクトをツールで管理できるため、プロジェクト管理にかかる負担を軽減できます。
関連記事:【2024年版】プロジェクト管理ツールおすすめ16選を徹底比較!5つの確認ポイントも紹介
まとめ
今回は、システム開発でのプロジェクト管理の基本概要・目的・管理方法・管理業務・円滑に進めるポイントを解説しました。システム開発のプロジェクト管理では、プロジェクトを動かす前に、目的・目標を設定し、品質・コスト・納期を詰めていきます。
顧客の要望の実現可能性を考慮し、プロジェクトを進める側が用意できる人員などのリソースとともに、無理がない計画を立てる必要があります。そのためにもプロジェクト管理が重要になるのです。
メンバーとのコミュニケーションを取りながら、スケジュールに遅れが出ないよう管理していきましょう。また、プロジェクト管理にはツールを導入することがおすすめです。
ツールの導入でプロジェクトの一元管理を実現し、スムーズにプロジェクトを進めましょう。
合わせて読みたい
- 異動や退職によるナレッジの引き継ぎがうまくいかない
- 必要なナレッジにすぐにアクセスできない
- タスク完了までの情報が分散していて、一つのナレッジとして見れない
上記のお悩みを解決するヒントがここにあります!
⇒ナレッジ活用における課題と最大限にナレッジ活用するためのツールの選び方とは?
プロジェクト管理ツールのチェックリスト【決定版】〜導入を失敗しないための必須10項目〜
プロジェクト管理ツールの導入を検討している経営者〜担当者向けに、導入時に押さえておくべき重要ポイントを解説した資料です。選定基準から導入後のサポートまで、効率的にプロジェクト管理ツールを導入するためのチェックポイントを確認できます。
|